「幸せな結婚」を考える 41

第9章 結婚生活の本当の幸せ

結婚ビフォーアフター(1)

ナビゲーター:長岡 高史

 「恋愛期間はあんなに優しかったのに、結婚した途端、愛してくれなくなった・・・・・・」。
 結婚後、多くの夫婦から漏れてきそうな言葉ですが、おそらくこれは間違いです。

 正しくは「恋愛期間は嫌われまいと素の自分を隠していたが、結婚したら安心して本来の自分が出てきてしまった」。つまり、元々そういう人が恋愛期間はすてきな男性あるいは女性を演じていたに過ぎなかった、ということです。

 だまされたと思うかもしれませんが、これも全て結婚に対する誤った見解がこのような悲劇を生みだしているのです。

 一般的に結婚はゴールと見られがちです。プロポーズの瞬間が二人の愛の物語のクライマックスであり、その最高のステージに向けてカップルは心を盛り上げながら準備をしていきます。
 「僕と結婚をしてください!」。
 給料?か月分の結婚指輪を渡され、彼女は涙でうなずく・・・・・・。

 多くの恋愛ドラマを見ても、シチュエーションは違えどパターンは似通っています。二人が結ばれるまでのやきもきする場面をドラマチックに描き出し、二人が最後に結ばれた瞬間が最終回となる。でも、結婚を知る者にとっては一言言いたい。本当はそこからが始まりなんだと。

 結婚をゴールとして二人が愛情を育むことには異論があるわけではありません。互いの心が引かれ合う、男女の心燃えるような体験の素晴らしさも否定はしません。しかし、燃え上がる愛は男女の愛の一側面にしか過ぎないというのも忘れてはいけません。それを愛の全てだと勘違いをしていると、結婚による環境の変化に心がついていかなくなってしまうのです。