「幸せな結婚」を考える 36

第8章 より良い関係を築くために知ってほしいこと

「傾聴」を身に付けよう

ナビゲーター:長岡 高史

 愛を育むために、時に知識とスキルも必要になります。
 ここからは夫婦の関係をより良くするために役立つ知識とスキルを紹介します。

 まず紹介したいのは、「傾聴」です。これは必ず身に付けましょう。

 「話し上手」「聞き上手」という二つの言葉がありますが、夫婦の関係を良くするために重要なのは「聞き上手」の方です。

 「何を今さら・・・、人の話を聞くなんて当然!」と思うかもしれませんが、実は「話を聞く」という行為は、とても奥が深いのです。「聞く」という行為は、いくつかの段階に分けることができます。

【レベル1】聞くふりをする…ただ相づちを打つだけで、話の内容には無関心。別のことを考えている。

レベル2選択的に聞く…自分が興味のある部分にのみ関心をもち、自分の目線で解釈、評価する。

レベル3注意して聞く…関心をもって深く聞く。相手が問題と考えることが何かを理解しようと努める。

レベル4感情移入して聞く…相手の目線で聞く。相手が世界をどう見ているのかを感情移入によって理解する。

 いかがでしょうか?
 ただ「話を聞く」という、普段何気なく行っている動作でも、これだけの段階があるのです。

 恐らく何の意識もなしに聞いていれば、レベル2がせいぜいでしょう。レベル3、4を目指すためには、相手のことを深く理解したいという思いがあって初めて到達することができます。

 人が話しているのに、スマホをいじっていませんか? 心ではつまらない話だなと思いながら、習慣的に相づちを打っていませんか?

 人は誰もが、自分の話を聞いてほしいと願う生き物です。
 「聞く」ことの重要性を理解し、傾聴を身に付けましょう!