「幸せな結婚」を考える 35

第7章 夫婦で正しく愛を育もう

愛は「信頼」を土台に育まれる

ナビゲーター:長岡 高史

 心から相手を知りたいと強く思い(関心)、そして自分と相手の違いを受け入れることができたなら(理解)、次は「信頼」を育むステップに入ります。

 信頼というものは、私が相手に「受け入れられた」「理解された」と感じた時に芽生えるものです。しかし、だからといって、「私を理解して」という受動的な姿勢では決して相手から信頼されることはないでしょう。相手に信頼してほしければ、まずは自分が相手を全面的に信頼するところから始めなければならないのです。

 そして信頼を育むこのステップにおいて、実は落とし穴があることも知っておきましょう。
 人は、信頼や安心感が生じると、同時に、遠慮もなくなり、油断も生まれるというマイナス面も出てきてしまうものです。愚痴を言ったり、待ち合わせに遅刻したり、という具合です。

 でもそれは、裏を返せば弱い面も見せられるほどあなたを信頼している、ということでもあります。相手のそのような「弱い部分」も信じて受け止めてあげましょう。すると、それがさらに「深い信頼」につながるものです。

 このように、「成熟した愛」は、一目ぼれのように体を駆け巡る一時の刺激のようなものではありません。決して壊れない信頼関係の上に、育まれていくものです。そのような信頼関係は一朝一夕で築けるものではありません。それは、男女が長い時間を変えてゆっくり育んでいくものなのです。