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脱会説得の宗教的背景 36
統一原理の教えは、“万人救済”の教え

教理研究院院長
太田 朝久

 YouTubeチャンネル「我々の視点」で公開中のシリーズ、「脱会説得の宗教的背景/世界平和を構築する『統一原理』~比較宗教の観点から~」のテキスト版を毎週火曜日配信(予定)でお届けします。
 講師は、世界平和統一家庭連合教理研究院院長の太田朝久(ともひさ)氏です。動画版も併せてご活用ください。

被造世界は、神と人間を中心とする一つの「有機体」

<聖書の言葉>
 聖書は次のように語ります。
 「被造物は、実に、切なる思いで神の子たちの出現を待ち望んでいる。なぜなら、被造物が虚無に服したのは、自分の意志によるのではなく、服従させたかたによるのであり、かつ、被造物自身にも、滅びのなわめから解放されて、神の子たちの栄光の自由に入る望みが残されているからである。実に、被造物全体が、今に至るまで、共にうめき共に産みの苦しみを続けていることを、わたしたちは知っている」(ローマ人への手紙81922)。

 すなわち、神と一体となった、神と“親子関係”である人間が現れてこそ、被造物も“喜び”に満たされるのであり、今現在は、被造物も“嘆き”悲しんでいるというのです。

 このように、神の前エネルギー(本形状)から始まって、神にまで至っていく、いわば“ループ”のように形づくられる被造世界は、広大な一つの「有機体」なのであり、程度の差こそあれ、森羅万象は人間の知情意に共鳴する“感応体”となっているというのです。

<文鮮明師の言葉>
 文鮮明(ムン・ソンミョン)師は、人間には「三大父母」がいると語っています。

 「『私』は、『三大父母』を通して生まれました。最初は物質世界の父母です。自分は、物質の世界からすべての要素を受け継いで、物質の中心として、物質の複合的な存在として造られました。…二番目は、自分の体を生んでくれた父母です。…愛の主人は神様です。愛を宇宙化させ、愛を永遠化させるために神様はいらっしゃるのです。神様は愛の主体であられるので、愛を中心として父母になっています。ですから、三番目は、神様が父母です。このように、私たちは三大父母をもっているのです」(天一国経典『天聖経』695ページ)

<統一原理の神観>
 宇宙という広大な一つの「有機体」の中心存在である人間は、「三大父母」を持っているというのです。

 「統一原理」の教えは、一言でいうと“父母主義”の教えです。

 「真理の目的は善を成就するところにあり、そしてまた、善の本体はすなわち神であられるがゆえに、この真理によって到達する世界は、あくまでも神を父母として侍り、人々がお互いに兄弟愛に固く結ばれて生きる、そのような世界でなければならない…人間がその心の深みからわき出づる真心からの兄弟愛に包まれるときには、到底その隣人に苦痛を与えるような行動はとれないのである。まして、時間と空間とを超越して自分の一挙手一投足を見ておられる神御自身が父母となられ、互いに愛することを切望されているということを実感するはずのその社会の人間は、そのような(隣人を害する)行動をとることはできない。…今まで神を信ずる信徒たちが罪を犯すことがあったのは、実は、神に対する彼らの信仰が極めて観念的であり、実感を伴うものではなかったからである」(『原理講論』3334ページ)。

 さらに「堕落人間においても、その一人の子女でも不幸になれば、決して幸福になることができないのが、父母の心情である。まして、天の父母なる神が幸福になり給うことができようか」(同235ページ)と説きます。
 すなわち、統一原理の教えは、“万人救済”の教えなのです。

(続く)

※動画版「脱会説得の宗教的背景 第8回『唯物論』と『唯心論』の和合統一〈その3〉」はこちらから