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シリーズ・「宗教」を読み解く 313
修道院の祈り 11
クリュニー運動とさらなる刷新の動き

ナビゲーター:石丸 志信

 聖ベネディクトが『戒律』を定め、祈りによる時の聖化に向けられた共同体の伝道が西洋修道霊性の礎となり、中世ヨーロッパのキリスト教の信仰と文化をけん引してきた。

 10世紀初頭から12世紀初頭までのおよそ200年、新しい改革精神で中世修道院文化を開花させたのがベネディクト会の刷新として登場したクリュニー修道院だった。

 教皇ネディクト16世は、次のように評している。

 「こうして、ヨーロッパの実体の形成過程が頂点に達した1000年前に、クリュニー運動はヨーロッパ大陸のさまざまな地域に広がり、重要かつ貴重な貢献を果たしました。クリュニー運動は、精神という富を優先すべきことを思い起こさせました。神にかかわることがらへの関心を呼び覚ましました。人間的な価値を向上させるための取り組みや制度に着想を与え、それらを育てました。平和の精神に向けた教育を行いました」

 クリュニー修道院の典礼は次第に壮麗・華美なものになっていった。
 整えられた祈り、死の恐怖にさいなまれる時代状況の中で、人々に変わって天に精魂込めた祈りのとりなしをなす役割を担ってきた。

 それ故、寄進が進み、富が集まってきた。清貧であるべき修道院が変貌する姿に疑問を感じた人々によるさらなる刷新の動きが続いて起こる。

 その場合も、基本的には『ベネディクトの戒律』の厳格な順守による刷新で、11世紀にその烽火(ほうか)が上がり始めた。

 この修道院はシトー会と呼ばれる。
 さらなる徹底で、「厳律シトー会」が生まれてくる。日本でもクッキーやバターあめで知られるトラピスト修道院がそれだ。

【参照】
教皇ベネディクト16世著、カトリック中央協議会・司教協議会秘書室研究企画編訳『中世の神学者』(カトリック中央協議会、2011年)



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