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【テキスト版】
ほぼ5分でわかる人生相談Q&A
幸せな人生の極意!

第179回 知性人が共産主義に影響される原因は何か?

ナビゲーター:阿部美樹

(動画版『ほぼ5分でわかる人生相談Q&A』より)

 皆さん、こんにちは!

 今回は、「知性人が共産主義に影響される原因は何ですか?」という質問に対してお答えします。

 日本共産党は、過去に武装闘争を行ったことがあり、暴力革命の可能性を否定していません。
 公安調査庁は、日本共産党を破壊活動防止法に基づく調査対象団体として危険な団体と見なしています。

 現在、共産主義の理論を真剣に学ぼうとする人は少なかったとしても、その力が衰え、脅威が薄れているわけではありません。
 共産主義を理論的に学んでいなくても、われ知らず共産主義的な考え方に共鳴し、その思考に囚(とら)われてしまうことが大いにあり得ます。

 自民党など保守的な政党に属している議員で、「私は保守派の議員です」と言いながら、考え方が共産主義的な影響を受けている人が見受けられます。
 そうした囚われに陥らないためにも共産主義の本質を理解することが重要です。

 韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁は自叙伝の中で、共産主義を「神様を否定する無神論」「葛藤と闘争、憎悪の哲学」(『自叙伝 人類の涙をぬぐう平和の母』223ページ)と指摘されました。

 共産主義の本質は、「無神論」「唯物論」ですが、感情的動機としては「憎悪の哲学」だということです。

 共産主義を克服する理論体系である「勝共理論」をまとめた李相軒(イ・サンホン)統一思想研究院院長は、共産主義が今日まで多くの人々を引きつけてきた理由を次のように解説しました。

 「共産主義は、今日まで多くの人々、特に正義心の強い知性人たちを引きつけてきた。それは、彼らが共産主義のもつ悪魔的要素に気づかないまま、理想世界を約束するその理論に引かれたからであった」(李相軒著『頭翼思想時代の到来』82ページ)

 ここで指摘する共産主義の持つ悪魔的要素とは何でしょうか。

 ベルジャーエフ(ロシアの宗教思想家)は、マルクス主義の悪魔的要素として、「否定的情熱」「憎悪」「暴力」を挙げています。

 ベルジャーエフが指摘したとおり、マルクスが19歳の時に書いた「絶望者の祈り」という詩には「神への復讐心」という「否定的な情熱」「憎悪」がありました。

 ラテンアメリカで活動した著名な革命家チェ・ゲバラは憎悪について次のように述べています。

 「憎悪は闘争の元素である。敵への無慈悲な憎悪は、我々を、人間の自然の限界の向こう側へと駆り立て、効果的で、暴力的で、そして選り好みする冷酷な殺人機械へと作り変える」

 現代の共産主義者や左翼が、ゲバラのように冷酷な殺人をあからさまに叫ぶことはありませんが、「憎悪は闘争の元素」という表現は、現代のさまざまな社会改革運動を理解するための重要なキーワードです。

 憎悪の心を持ちやすい人の特徴は、「被害者意識」「自己正当化」「責任転嫁」「他者の責任を鋭く追及する」傾向があります。

 人間が「否定的情熱」「憎悪」を燃え上がらせていれば、対立や闘争、分断をもたらす共産主義的な思考に影響を受けやすくなり、暴力的な社会変革運動にもコミットしやすくなることでしょう。

 このような「否定的情熱」と「憎悪」を超える方法は、反対の「肯定的情熱」と「愛情」が必要です。

 まさに、敵対する者さえも愛する「真の愛」の実践がキーワードになります。
 「憎悪の哲学」を凌駕する「真の愛の哲学」を身に付ける者になっていきたいものです。

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