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平和の大道 70
人体構造に基づく平和の論理構築

 皆さんは、『平和の大道』という書籍をご存じでしょうか。著者は、一般財団法人国際ハイウェイ財団の理事長、佐藤博文氏です。
 同書は、国際ハイウェイ財団が推進する「国際ハイウェイ・日韓トンネル」プロジェクトの意義や背景などについて総合的に理解することのできる貴重な一冊です。
 Blessed Lifeではその一部を抜粋して紹介してまいります。ぜひお楽しみに!

佐藤 博文・著

(『平和の大道-国際ハイウェイ・日韓トンネル-』より)

 理想社会の秩序や運動形態が、宇宙や自然環境の秩序や運動と同じく、「自律分散制御系」、「複雑適応系」となるべきであり、人体構造の中にその原型を見ることができ、国際ハイウェイプロジェクトは地球をそのような人体構造の中の循環器系(血管組織)に相当する地球規模の交通インフラの構築に当たるということを[67]と[68]の2回にわたって詳細に論じた。今回は、この考えをさらに発展させ、そこから、地球規模の血管網形成に相当する国際ハイウェイ建設に関連して、「平和の論理」の大枠の構築を試みることにする。

「分の思想」と平和

 平和の「平」は平準化、水平を意味し、「和」とは多様なものが調和して一つとなることである。平和の反対は、対立、争い、闘争によって分裂し、一つになれないことである。

 ところで、聖徳太子の十七条憲法の第一条に、「和を以て貴(とうと)しとなし、さからうこと無きを宗(むね)とせよ」とある。日本の伝統的精神に「和の思想」がある。その「和」の本当の意味は、自分の意見は押し殺し、全体の流れに妥協し、唯々諾々と無批判に従うということではなく、立場や個性の違う者がお互いにそれぞれの立場で、協調・親睦の気持ちを持って、率直に意見を交わし合い、合意を形成していけば、何事も上手くいくようになるということだ。そこには、反対のための反対をするようなことはない。

 このような「和の思想」は、もう一つの日本の伝統的な考えである「分の思想」に通じる。「分」という言葉は、「分をわきまえる」という風に使われる。「分」とは、全体の中の部分としての役割分担のことであって、頭が良いから、能力があるから偉いとか価値があるというような、能力の差によって人間の価値に差をつけるという考えがない。当然、「勝ち組、負け組」という考えすらない。日本社会の伝統的な考えは、共同体の成員を家族の一員、運命共同体の一員と見て、それぞれが分をわきまえて役割を果たすべきであると考え、役割の違いに価値の差をつけない。能力に欠けるから、仕事が良くできないからといって、その社会から敗者として排斥するような考えがない。かつては、会社の経営においても、このような考えが伝統的であり、それ故、「日本的経営」と言われた家族的経営をしてきた日本の企業が発展したのである。

 新約聖書コリント人への第一の手紙122024節に、「ところが実際、肢体は多くあるが、からだは一つなのである。目は手にむかって、『おまえはいらない』とは言えず、また頭は足にむかって、『おまえはいらない』とも言えない。そうではなく、むしろ、からだのうちで他よりも弱く見える肢体が、かえって必要なのであり、からだのうちで、他より見劣りがすると思えるところに、ものを着せていっそう見よくする。麗しくない部分はいっそう麗しくするが、麗しい部分はそうする必要がない。神は劣っている部分をいっそう見よくして、からだに調和をお与えになったのである」とある。新約聖書のこの考えは、人体の理想的な調和の姿をよく表現し、「和の思想」や「分の思想」にも通じ、「人体構造に基づいた平和の思想」の的確な表現である。

正反合理論と正分合理論

 ヘーゲル哲学に「正・反・合」といういわゆる弁証法という考え方がある。この論理が発展法則として歴史的に大きな影響力を与え、共産主義思想の基本的な考えともなったが、この論理が理論的にいかに精緻に見えても、人体構造から見れば、その論理の誤りが明らかである。

 国際ハイウェイプロジェクトの提唱者である文鮮明(ムン・ソンミョン)総裁は、発展法則として「正反合」の論理を否定し、「正分合」の論理を説いておられる。「反」から「合」は決して生まれない。対立する二者が戦えば、潰し合うことになり、勝ち組と負け組に分かれ、勝ち組が負け組を従属させ、支配する結果となり、形の上では統一の形体ができるが、「合」と言うべきではない。二つのものが協力しあい、合成されて、より次元の高い存在が生じてこそ「合」、「統一」と言える。したがって、「反」からは「合」も「和」も生まれようがない。

 本来の「合」は、共通目的を中心に各部分が助け合うところから生じるものであり、「反」ではなく「分」が前提にならなければならず、「正・分・合」である。「分」から「合」が生まれるのである。さらに、「合」は「和」に通じる。したがって、「分」から「合・和」が生まれる。ゆえに、「正・分・合」の論理から「平和思想」が生まれる。

 国際ハイウェイプロジェクトは、人体の各器官、そして60兆個の細胞に至る人体の全てを連結し、調和的に機能させる人体の血管網と同じく、地球規模の血管網の形成である。高規格高速道路網インフラの世界的なネットワーク形成は、「正反合」の誤った論理で分断された国家間の闘争や軋轢を、「正分合の論理」に基づく平和思想により、地球次元の対立や闘争を解消させて、平和な世界を現実的に実現していく世界平和のプロジェクトである。

(『友情新聞』2017年4月1日号より)

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 次回は、「国際ハイウェイ推進と宗教」をお届けします。


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