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続・夫婦愛を育む 13
嫌いなポジティブワード

ナビゲーター:橘 幸世

 Blessed Lifeの人気エッセイスト、橘幸世さんによるエッセー「続・夫婦愛を育む」をお届けします

 フジテレビ系で放送中のドラマ『いちばんすきな花』。賛否が分かれているようですが、生きづらさを抱えた若者たちの思いが描かれていて、興味を持って見ています。
 それぞれ課題は異なるものの、安心して本音を語り合える関係となった男女4人のゆったりとしたストーリーです。

 1130日放送分は、主人公4人が「嫌いなポジティブワード」を出し合うシーンから始まりました。「嫌いなポジティブワード」という発想自体が私には新しいものでした。

 「他人は変えられないけど、自分は変えられる」
 「死ぬ気で頑張れ」
 「明けない夜はない」
 「失敗は成功のもと」

 全部は思い出せませんが、こんな言葉が挙がっていました。
 「失敗は成功のもと」に関しては、「成功者は失敗を悠々と語るよね。(成功したからそう言えるんだよ)」などと登場人物が言っていました。

 ポジティブワードを発した本人は、相手のためを思い、励まそうと、良かれと思っていました。
 言われた側は、それが嫌だった、苦痛だった、受け止められませんでした(だから“嫌い”)。

 以前、精神的に落ち込んでいる人に、いろいろ話を聞いた後、「~したり、もうちょっと頑張って」と言ったら、泣き出してしまった、という話を聞いたことがあります。
 「自分なりに精いっぱいやっているのに、これ以上頑張れなんて…」
 彼女はいっぱいいっぱいだったんですね。

 私たち信仰者も、これらの「ポジティブワード」を、「み言」に置き換えて考えてみるのもいいかもしれません。
 み言は真理の「剣(つるぎ)」、時には切ってしまいます。どんなに正しくても、相手のためを思っていても、相手が受け止められなければ、プレッシャーや裁きの言葉になりかねません。
 言われた側は、反発する一方で、受け止められない自分に、心のどこかで駄目出しすることもあるかもしれません。力はますますそがれてしまいます。

 ドラマの中の4人は、互いの本音を「そっか」「そうなんだ~」「分かる~」と受け止めます。
 基本、否定しませんし、説教もしません。気を使って何も言わないでいるわけではありません。ですので、時に意見が違い、ぶつかることもありますが、誰かがフォローして収まります。相手の思いや判断を尊重します。
 そんな関係をうらやましく思う視聴者も少なくないようです。

 私たち兄弟姉妹の関係においても、それがいいな、と思う私です。
 迷いの中にある相手に対して、時にははっきりと語る必要もあるでしょう。けれど基本は、兄弟姉妹の中にある善なる本性と、そこに働かれる神様を信じて。