シリーズ・「宗教」を読み解く 30
超宗教平和開発協会の発足

ナビゲーター:石丸 志信

 「超宗教指導者会議」(IRLC)は4日間のセッションを通して、参加者一同は互いの交流を深め、「神の下の一つの家族」のビジョンが遠いものではないと思えるようになった。
 最終日のセッションは、そうした思いを集大成するものとなった。

 UPF(天宙平和連合)のトーマス・ウォルシュ議長の司会で、キリスト教、仏教、イスラム教の三宗教の指導者が祈祷をささげた後、13人の宗教指導者らが次々とメッセージを語った。
 最後に米国聖職者指導者会議(ACLA)の共同議長でアフリカ系アメリカ人カトリシズムのジョージ・スターリング大司教が中央に立ち、「超宗教平和開発協会」発足の決議文を読み上げた。

▲「超宗教平和開発協会」発足の決議文を読み上げるスターリング大司教

 その文面には、これまで宗教人が平和のために十分な働きができなかったことの反省に立ち、次のように決意を謳(うた)っていた。

 「宗教が相互協力するだけでなく、私たちの創始者や先祖、そして実際に全ての人々が思い描く世界を建設するために、政府、市民社会、民間団体の指導者たちをパートナーとして、彼らと共に働くべきである」。

 参加者一同は、拍手と歓声でもってこれに賛同し、決議文を記したボードに署名した。この時が本会議のクライマックスであった。

▲「超宗教平和開発協会」発足の決議文に署名する宗教指導者たち