2023.09.29 22:00
【テキスト版】
ほぼ5分でわかる人生相談Q&A
幸せな人生の極意!
第156回 進化論では発展する力をどのように説明しているのでしょうか?
ナビゲーター:阿部美樹
皆さん、こんにちは!
今回は「進化論では発展する力をどのように説明しているのでしょうか?」という質問に対してお答えします。
自然界では、そのまま放置しておけば、建物が次第に崩れていくように、秩序ある状態はより無秩序な状態に移行します。これを「エントロピーが増大する」(熱力学の第二法則)といいます。
発展するためには、無秩序な力ではなく創造的な力が加わらなくてはなりません。
力学の効率の観点から見ると、エネルギーを100%投入しても、その効果を現すのは必ず100%以下になります。常に出力は入力より小さいのです。
ところが進化論は、出力は入力より小さいという法則に反して、「自然発生して進化発展する」と主張しています。
生物の形態が変化するためには、別のより強い力が加重され、細胞の核の形態を変化させなければ起こりません。
生物が発展するためには、「宇宙的な力」「神から来る創造的・精神的な力」などのエネルギーが必要です。
ですから、神が第三の力を投入しながら生物に新しい遺伝子を注入し、遺伝子を組み換えながら、新しい種を創造したと見るべきでしょう。
例えば、科学者も遺伝子組み換えの技術で新しい品種づくりをしています。
世界中のバラづくりをする人たちが青いバラをつくろうとしましたが、なかなか成功できませんでした。
しかし長年の研究の結果、ついに青いバラをつくることに成功しました。バラだけでなく、遺伝子の組み換えでさまざまな青い花がつくられています。
ところが、人間ができるのは同じ種の中での変わり種をつくることです。バラの花から別の花をつくることはできません。ネギから別の野菜をつくることもできません。
一方、神は遺伝子を注入しながら、ある種からより高次な種にする創造を展開しました。
また、「力」というものはそれ自体では生じません。
喜びや愛情や幸せなども独自で感じるものではなく、相対的な関係における「授受作用」によって生じるものです。
対立する関係にある二者では、反発するのみで、発展的な作用はできません。
また両者が全く同格、同質であっても作用することができません。
一方が働きかけ、他方がそれに応じるという関係、与えて受けるという関係、能動と受動という関係であってこそ、発展的な作用が起きます。
このような関係を「主体と対象」といいます。
例えば、ある男性と女性が結婚し、家庭生活という授受作用がなされる中で子供が生まれます。その家族間の授受作用の中で、家庭が築かれて、より次元の高い発展がなされます。
また、植物を好きな人が花や野菜を家の庭に植えて、真心を込めて育てるなら、奇麗な花を咲かせ、おいしい野菜を収穫することができるのも、より次元の高い発展が成されたと言えます。
進化論や唯物論を提唱する人たちは、「発展は矛盾による闘争から由来した」と考えますが、そうではなく「相対的な関係」が成立するところから始まるのです。
進化論は、個体が生存に適しているかどうかで進化を論じていますが、主体と対象の相対的関係を通じて作用し、発展している点を見落としています。
大切なことは、発展は相対的なペアシステムを通してなされるということです。