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脱会説得の宗教的背景 5
韓半島を中心に世界が一つに

教理研究院院長
太田 朝久

 YouTubeチャンネル「我々の視点」で公開中のシリーズ、「脱会説得の宗教的背景/世界平和を構築する『統一原理』~比較宗教の観点から~」のテキスト版を毎週火曜日配信(予定)でお届けします。
 講師は、世界平和統一家庭連合教理研究院院長の太田朝久(ともひさ)氏です。動画版も併せてご活用ください。

繰り返される歴史
 イエス様から現代に至るまでの約2000年のキリスト教史は、ヤコブからイエス様に至るまでの約2000年のイスラエルの歴史と、驚くほど同じように繰り返されています。

 そればかりか、2000年前にイエス様を迎えるまでの約600年の期間、全世界的な規模で歴史に大きな影響を及ぼす人物、例えば孔子をはじめ諸子百家と呼ばれる人たち、また釈尊とその弟子たち、さらにソクラテス、プラトン、アリストテレスといった聖賢たちが集中的に生まれました。
 さらには、ギリシャ・ローマの物質文明が開花し、急速度に世界的規模で文明が発達していきました。

 それと同様に、現代においても、今から約600年前の14世紀にルネサンスが起こり、世界的規模で偉大な哲学者、芸術家、発明家、科学者、偉人たちが集中的に現れ、急速度に文明が発達し、今や最高度の科学技術の文明を誇る環境圏となっています。

「枢軸時代」と「科学と技術の時代」
 カール・ヤスパース(18831969)という哲学者は、紀元前のイエス様を迎えるまでの約600年の期間に、不思議な現象があり、それは歴史に影響を及ぼした人物が集中して生まれているということで、「枢軸時代」と名付けています。

 それと同じ現象が、現代までの約600年の期間にも起こっており、ルネサンス以降、世界の高度な科学技術文明を築く上で、重要な人物が続々と集中的に生まれ、発明・発見がなされて、急速度に文明が発達したのです。
 短期間のうちに急速度に文明が発達したことから、ヤスパースはこの時代に対して「科学と技術の時代」と命名しています。

「人類一家族世界」時代の到来
 このような現象が起こるのは、まさにメシヤであるイエス様を世界的に迎えるための準備期間であったのと同じように、現代においても再臨主を迎えるための世界的な準備の期間であったと言えるのです。
 事実、現代の世界情勢を見ると、地球的な規模で「人類一家族世界」を実現する千載一遇のチャンスの時が訪れていることが分かります。

 2000年前、ユダヤに来られたイエス様を、当時、大きな基盤を誇っていたユダヤ教が受け入れ、イエス様のみ言をまず精神文明圏に宣(の)べ伝えていたなら、物質文明圏と精神文明圏は一つに結ばれ「人類一家族世界」が実現していたことでしょう。

 今日の世界情勢を見渡した時、2000年前と同様、韓半島を中心として見ると、左側に「唯物論」を基盤とした共産主義圏が一大版図を築いており、右側に「唯心論」を基盤とした自由主義圏が一大版図を築いています。それ故、唯物論と唯心論を一つにし、二大陣営の壁を取り去れば、「人類一家族世界」が実現できる千載一遇のチャンスの時を迎えているのです。

再臨主が誕生する韓半島
 従って、2000年前の両世界(物質文明圏と精神文明圏)の中間地点であったユダヤの国に当たるのが、まさに韓半島(朝鮮半島)であると見ることができます。すなわち、再臨主が誕生される場所は、韓半島であることが明確に分かるというのです。

 2000年前と全く同じ状況が起こっています。共産圏と自由圏を分ける“38度線”のある韓半島を境目として、まず北朝鮮をはじめ、かつてはソ連邦が大きな共産主義圏の基盤を築いていました。そして中国、ベトナム、ラオス、カンボジア、東欧諸国。これらの共産主義圏が一大版図を築いていました。

 もう一つは、韓国をはじめ、日本、フィリピン、インドネシア、オーストラリア、北米大陸、南米大陸、西欧諸国、それらが自由主義圏として、一大版図を築いているのです。
 このような世界情勢は、ちょうどイエス様の時代にローマ帝国の物質文明圏と東洋の精神文明圏の二つのエリアに分かれていた時と同じように、韓半島を中心に、共産主義圏と自由主義圏という二つのエリアに分かれているのです。

「時のしるし」
 従って、イエス様が言われた「時のしるし」を見分けるなら、この中間地点である韓半島こそ、まさに再臨主が生まれる場所であることが明確に分かるというのです。
 それは、ちょうどローマ帝国と東洋の中間地点であるユダヤ(イスラエル)の地にイエス様が生まれたことと同じなのです。

 今なお、再臨主はイスラエルにおいて天の雲に乗ってやって来ると信じるクリスチャンが数多くいます。しかし、「時のしるし」を見分けなければならないというのです。
 2000年前、イエス様はメシヤとして来られましたが、そのイエス様を信じることができなかった当時のユダヤ教指導者たちは、次のように語ってイエス様を不信しました。

 「キリストはまさか、ガリラヤからは出てこないだろう」(ヨハネ741)。その当時のユダヤ教指導者らが批判したように、イエス様は「異邦人のガリラヤ」(イザヤ91)出身者でした。その「異邦人のガリラヤ」の故に、彼らはつまずいたのです。
 この同じ“つまずきの石”が現代のクリスチャンにも与えられているのです。すなわち韓半島から再臨主が現れたことは、クリスチャンにとって2000年前の選民(ユダヤ教徒)と同じつまずきが繰り返されているというのです。

今は千載一遇のチャンスの時
 イエス様を迎える前の約400年間の「メシヤ降臨準備時代」において、釈尊、孔子、ソクラテス、プラトン、アリストテレスなど、優れた宗教の開祖や哲学者らが集中的に生まれました。
 物質文明も急速度に発達し、メシヤを迎えて、そのみ言が世界に伝播(でんぱ)される準備がなされたのです。

 それと同様に、「今日において、…自由を基盤とした民主主義(*自由主義圏)の政治的版図が全世界的に広められているのであり、交通および通信の飛躍的な発達によって、東西の距離は極度に短縮され、また、言語と文化とが世界的に交流しあい、メシヤ再降臨のための思潮が、自由にかつ迅速に、全人類の胸底に流れこむことができるように、既に、その平面的版図が完全に造成されているのである。…メシヤが再臨されれば、彼の真理(*統一原理)と思想(*統一思想・勝共理論)を急速度に伝播して、短時日の内に…適切な平面的基台になる」(『原理講論』485ページ)という時代圏になっているのです。

 2000年前にイエス様を中心として成そうとした世界平和。今日において、再び成し得る千載一遇のチャンスの時を迎えているのです。

*は筆者追記

※動画版「脱会説得の宗教的背景 第2回 再臨主の来られる場所」はこちらから