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脱会説得の宗教的背景 1
家庭連合に反対する二つの勢力

教理研究院院長
太田 朝久

 YouTubeチャンネル「我々の視点」で公開中のシリーズ、「脱会説得の宗教的背景/世界平和を構築する『統一原理』~比較宗教の観点から~」のテキスト版を毎週火曜日配信(予定)でお届けします。
 講師は、世界平和統一家庭連合教理研究院院長の太田朝久(ともひさ)氏です。動画版も併せてご活用ください。

統一教会との出合い
 私は、家庭連合(旧統一教会)と出合う前、キリスト教(プロテスタント教会)の信仰を持っていました。再臨を待望する教会でした。教会では、「統一教会は異端。恐ろしい所」といううわさを聞いていました。

 しかし実際に統一教会と出合ってみると、うわさとはあまりにも違っていることに驚きました。統一教会の信者は善良で、真面目で、良い人たちばかりでした。
 どうして、ここまで誤解されているのかと、驚きを禁じ得ず、誤解を解いてあげなければならないと思ったほどです。

 結局、「統一原理」を学ぶ中で、従来の伝統的なキリスト教信仰を根幹から揺るがすと思われる内容が「統一原理」に含まれているが故に批判されていることが分かりました。

十字架問題
 その最大のポイントは十字架問題でした。
 キリスト教は、十字架は神の絶対予定であり、イエス様は十字架で死ぬために来たと信じます。
 ところが「統一原理」は、イエス様の十字架は本来あるべきではなかった。十字架は二次的な予定だと説いています。

 それ故、キリスト教は「統一原理」を絶対に容認することができないのです。
 もし「統一原理」を認めたなら、従来の十字架を基礎に据えた教えは根本から崩れ、牧師たちは信者を信仰指導できなくなってしまいます。それはキリスト教にとって絶対に容認できないことであり、存亡を懸けた戦いとなり得るものでした。

 そのため、キリスト教は統一教会を激しく攻撃してきたのです。
 拉致監禁による強制脱会説得の草分け的存在である森山諭牧師(日本イエス・キリスト教団)は、反対する動機を次のように述べています。
 「彼らがキリスト教を名乗り…聖書をでたらめに解釈して人々を惑わすので、放っておけないのです」(『現代日本におけるキリスト教の異端』132ページ)

牧師による脱会説得が始まる
 動画「拉致監禁」シリーズ、および動画「脱会説得による悲劇」シリーズで述べてきたように、家庭連合信者に対する拉致監禁事件は、1966年から56年間で4300件を超えます。

▲動画「拉致監禁」シリーズ

 家庭連合信者は、反対牧師に教唆された親族によって監禁され、そこに牧師が来て脱会説得します。反対牧師は“新約聖書を読め! 十字架は神の絶対予定だ”と言って説得します。

 日本基督教団統一原理問題連絡会では、「統一協会を脱会した元信者の訴訟も全国で行われ…被害者を出さないための運動が進められている」とし、「統一協会が消滅するまで活動することを表明する」(1993128日の声明文)と宣言しています。

 元信者の訴訟問題。キリスト教の長年の取り組みによって統一教会の悪なるイメージがつくられてきたといえます。
 すなわち、拉致監禁事件の多さが民事裁判の多さになっており、それが統一教会に対する社会的信用を貶(おとし)めてきたといえるのです。
 その背景には、十字架信仰を守ろうとするキリスト教の存亡を懸けた戦いがあったのです。

▲動画「脱会説得による悲劇」シリーズ

日本の共産主義革命を阻止した勝共連合
 さらに、家庭連合(旧統一教会)を壊滅させようと取り組むもう一つの勢力として、左翼思想を持つ人々がいることを知る必要があります。

 特に1978年の京都府知事選の革新府政の敗北を受け、宮本顕治・日本共産党委員長(当時)は、家庭連合の友好団体「国際勝共連合」に対して、「勝共連合との戦いは重大。…全面的な戦いにしていく必要がある…“勝共連合退治”の先頭に立つことは、後世の歴史に記録される『聖なる戦い』である」(「赤旗」1978年6月8日号)と宣戦布告し、左翼勢力の“大同団結”を呼びかけました。

 これに呼応するかのように、弁護士、政治家、牧師、ジャーナリスト、大学教授らの中の“左翼勢力”が反対活動に乗り出したのです。
 彼ら左翼勢力は、1970年代に日本赤化が果たせると踏んでいました。ところが、勝共連合および友好団体「統一教会」が日本の共産主義革命を阻止したのです。それ故、左翼勢力にとって家庭連合や勝共連合は絶対に許すことができない存在なのです。

反対牧師、左翼勢力、そしてマスコミの偏向報道
 この左翼勢力とキリスト教関係者らの長年の取り組みによって統一教会のイメージはモンスター化された状態になっています。
 家庭連合を壊滅に追い込もうとするこれらの勢力の長年の取り組みが、今日の偏向報道の状況を生み出しているのです。

 特に、反対牧師の説得によって脱会させられた元信者が“統一教会に対する敵愾(てきがい)心”を燃やし、家庭連合に対する返金要求や裁判闘争などを行い、それをマスコミが報道するという長年の取り組みによって、家庭連合の実態から離れた悪なるイメージが形成されてきたといえるのです。

(続く)

※動画版「脱会説得の宗教的背景 第1回 家庭連合に反対する二つの勢力」はこちらから