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うまくいく夫婦仲の法則 27

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「うまくいく夫婦仲の法則」を毎週木曜日配信(予定)でお届けします。
 目指すは「夫婦仲良し、円満一家、どんな嵐もどんとこい」! 輝く夫婦、幸せな家庭を築くための秘訣(ひけつ)をご紹介します。

松本 雄司・著

(光言社・刊『二人で学ぶ うまくいく夫婦仲の法則』〈200251日初版発行〉より)

第四章 どのようにして夫婦愛を育てるか

3 二人が仲の良い夫婦になるには

※「A愛妻度」は第20回、「B愛夫度」は第21回を参照

⑥愛情を文章で伝えよう(A⑧、⑨、B⑤)

 では、直接面と向かっては「愛している」などと言えないという場合はどうしたらよいのでしょうか。それは「文章」で伝えればよいのです。口で言えないことでも、文章なら案外書けるものです。

 最近、NHKで「60歳のラブレター」という企画が放映され本にもなっていますが、50代、60代の夫から妻へ、妻から夫への手紙集でした。一つ一つの手紙にその夫婦の風雪に耐えてきた年輪が感じられ、胸の熱くなる手紙が多くありました。

 私も、若い頃の筆無精を反省して、妻や子供、そして両親にも日常できるだけ便りを書くようにしています。特に誕生日や、節目の記念日には、プレゼントとともに感謝の言葉を添えるようにしています。

 誕生日、結婚記念日、父の日、母の日など、記念日には、物のプレゼントだけでなく、ぜひカードか手紙一枚でもよいから、愛情のこもった一言を書いて添えるとよいでしょう。

 これは東京のある方のお宅に招かれたときのことですが、話が家庭のこと夫婦のことに及んだとき、そのご主人が急に、

 「じゃあ、私の宝物をお見せしましょうか」と言いました。

 「ほう、ぜひ見せてください」と身を乗り出すと、彼は書棚から一冊の本を持ってきました。私はその本が何かよほど由緒ある物かと思っていましたら、その本を開くと本の間に一枚の紙切れがありました。ただの古いメモ用紙。よく見ると新聞広告の裏紙です。そこに何行かの文字が書いてあるのです。その中にこういう一節があるのです。

 「あなたと結婚してほんとに良かった……」

 それは10年も前にもらった物らしいのです。

 何かのときに妻がそっとメモ書きをして、かばんの中に入れてあったのだそうです。古くなってだんだん赤茶けてくるので捨てようと思うのですが、どうしても捨てることができない。それで本に挟んで、何かの折にときどき開いて見るというのです。

 たった一行の言葉だが、その言葉が何度も何度も折にふれて心によみがえってくる。

 「あなたと結婚して良かった」という一言を、妻がはっきりと文字に表してくれたことが、自分の心を勇気づけ、癒してくれるというのです。そこに妻の愛情を感じ、とてもいとおしく思うというのです。

 「だからこれは私の宝物なんです。内緒ですけど」と言っていました。

 表現するということがいかに大切かということを改めて感じさせられました。走り書きの一行でも心情のこもった一言は相手に伝わるのです。これは奥さんからのケースですが、逆も同じことです。最初は照れくさい、恥ずかしいと思うかもしれませんが、表現しなければ伝わりません。

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 次回は、「『出会いの10分、別れの5分』」をお届けします。


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