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真の父母様の孝情を学ぶ 11
多くの命を奪った青い閃光➁

 『ムーンワールド』で連載中のコーナー、「真の父母様の孝情を学ぶ」を隔週日曜日(予定)でお届けします。
 韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁(真のお母様)の自叙伝『人類の涙をぬぐう平和の母』からの抜粋をイラストとともにつづるコーナーです。

 今回は、「多くの命を奪った青い閃光(せんこう)」(8385ページ)からの抜粋です。

 けたたましい車の音に、私たちは目を覚ましました。障子から、ヘッドライトの光が差し込んでいました。戸が勢いよく開き、軍服を着た叔父が慌てた様子で中に入ってきました。祖母と母が安堵(あんど)のため息をつくのを見ながら、私も心の中で、「もう出発しても大丈夫だ」と思いました。

 「急いでください。早く行かなければなりません」

 陸軍本部に勤めていた叔父は、戦況をつぶさに見守っていましたが、漢江の橋を爆破するという情報が入るや、家族の身を案じ、車を飛ばして来たのでした。霧がかかった路地に、車が一台、エンジンをかけたまま停まっていました。叔父は私たちを乗せると、漢江に向かって車を飛ばしました。橋のある一帯は、まだ夜が明けていないにもかかわらず、既に多くの避難民が押し寄せており、大混乱に陥っていました。

 私たちは漢江(ハンガン)の橋に向かいましたが、道に人があふれ、なかなか進むことができません。それでも、クラクションを鳴らしながら人々の間を通り抜け、陸軍将校の叔父が持っていた通行証で、何とか漢江の橋を渡り切ることができました。私は母の手をぎゅっと握りしめ、その懐に抱かれながら、避難民を見つめました。

 漢江を渡るや否や、叔父が大声を上げました。

 「伏せて!」

 ドーン!

 突然、後ろから爆音が聞こえてきました。私たちは車から慌てて降りると、道の横の低まった所に突っ伏しました。青い閃光と共に、鳴り響く轟音(ごうおん)。見ると、橋が爆破されていたのです。

 私は、闇の中で燃え上がるその炎をはっきりと見ました。それはまるで、赤々と燃えたぎる悪魔の瞳のようでした。漢江の橋を渡っていた多くの人々、中には軍人や警察官までもが川に落ちて亡くなりました。幸いにも私たちは命拾いすることができましたが、わずか数メートルの差で、生と死が分かたれた瞬間でした。

 私は目を閉じました。なぜ人は戦争を起こすのか、なぜ多くの人々が死ななければならないのか、天はなぜ、私たちにこれほどまで大きな苦しみと試練を与えるのか……。様々な思いが脳裏をかすめましたが、その場ではっきりとした答えは出ませんでした。再び目を開けると、真っ二つに破壊された橋が、燃え盛る炎の中に無残な姿をさらしていました。628日、午前3時頃のことでした。

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 次回は、「長い苦難の末にたどり着いたみ旨の道①」をお届けします。


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