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文鮮明師自叙伝に学ぶ~心の書写 10

全人類を愛する

 アプリで読む光言社書籍シリーズ第3弾、『文鮮明師自叙伝に学ぶ~心の書写』を毎週木曜日配信(予定)でお届けしています。なお、この記事に記載されている「自叙伝『平和を愛する世界人として』」のページ数は創芸社出版のものです。

浅川 勇男・著

(光言社・刊『心の書写~文鮮明師自叙伝に学ぶ~』より)

【第三章】神様を愛する

全人類を愛する

 自叙伝には「自分よりも人類をもっと愛し、私と私の家族の問題より人類の苦痛を先に考える人になったのです」(『平和を愛する世界人として~文鮮明自叙伝』、327ページ)と言われています。自分と家族の苦痛を考える前に「人類の苦痛を先に考える」とき、「神様を愛する」のだと言われるのです。

 なぜでしょうか。それは、神様にとって、人類はわが子であるからなのです。母親は陣痛の痛みをもって子供を産みます。それゆえに自分の体の一部として、湧きいずる愛で子供を抱きかかえようとします。まさに、人類は神様が父母として陣痛の痛みをもって産んだ子供たちなのです。「神様は、自分のすべての愛を注いで私たちをつくりあげられたのです」(同、327ページ)。

 全人類は神様の愛の結晶なのです。したがって、自分にとって他人であっても、神様にとってはわが子なのです。つまり、神様を父母とすれば、私と人類は、血を分けた兄弟になるのです。

 ある父母に三人の子女がいたとします。長男は頭脳明晰(めいせき)で出世して経済的に親を支えているとします。次男は、凡庸でさしたる取り柄がなく、三男は障害を抱えてかわいそうな境遇だったとします。長男が、「自分こそが家計を支えているのだ」と傲慢不遜になって、障害を背負う三男を見下して、厄介者扱いをしたら、どうでしょうか。長男は親を愛したことになるでしょうか。

 ところが、次男は凡庸ながら、三男を哀れんで世話をしていたとします。

 次男と長男では、どちらが親をより愛したことになるでしょうか? それは次男なのです。なぜなら、親の愛はかわいそうな三男に注がれており、その三男を親が愛するように愛しているのが次男だからなのです。

 親の心はいつも不憫(ふびん)な子供に注がれています。そして、兄弟が不憫な子の面倒を親のように見てくれることを願っています。人間の親でさえそうであるならば、天の父母なる神様の心は、人類のどこに向けられているでしょうか? 豊かな先進国ではなく、貧困と戦争と飢餓で苦しむかわいそうな国々の人々なのです。世界で飢えて死んでいく子供がいるなら、そのたった一人の子のために、全身が麻痺(まひ)するほど悲しみ苦しむのが、神様なのです。

 文鮮明先生が15歳の時、イエス・キリストは語りかけました。

 「苦しんでいる人類のゆえに、神様はあまりにも悲しんでおられます」(同、62ページ)

 世界には、生きること自体が困難な境遇で生きている人が大勢います。

 私たち日本人が当たり前に生活していることが、実は世界の当たり前ではないことを知るべきです。例えば、家があって水道があること、蛇口をひねれば必ず水が出ること、そしてその水がそのまま飲めること、朝昼晩に食事ができること、ゴミが回収されること、電気があってスイッチを押せば蛍光灯がつくこと、などです。日頃感謝さえしなくなった当たり前の生活が全くできない人々が、世界にはたくさんいることを知るべきなのです。

 ユニセフの「世界子供白書」で栄養不足とそれによって引き起こされる病気で毎日4万人、年間1400万人以上の乳幼児が死んでいると報告されたことがあります(岩波新書『地球環境報告』、石弘之)。しかし日本全体で一年間に捨てられる食品は、東京ドーム約80杯分、1900万トンあり、それだけで世界の7000万人が一年間食べていけるそうです。(2011年3月、読売新聞)

 文鮮明先生は、「人類が飢餓問題を解決しなければ、この世界に本当の平和はありません。すぐ横にいる人が空腹で苦しんでいるのに、それをそのままにして平和を語ることはあり得ないことです」、「全世界の飢えて死んでいく人たちは私たちの責任です」と言われています。そのため、いつも日常生活で世界人類のことを考えなければならないと言われています。いつも世界人類のことを思って節約することを諭されています。

 「飢えて死んでいく人を考えて節約すれば、天運が保護します」(『愛天愛人愛国』、光言社、139ページ)

 「物を節約しなければなりません。節約して、一年に二千万人ずつ飢えて死んでいく人たちを助けてあげるのです」(同、139ページ)

 「飲料水を飲むとき、『もう一度、改めて世界のことを考えてから飲まなければならない』」(同、138ページ)

 神様を愛することとは、世界人類を愛することなのです。15歳の時にイエス様が言われた言葉が、文鮮明先生の生涯を貫いているのです。

 「苦しんでいる人類を救い、神様を喜ばしてさしあげなさい」(自叙伝、63ページ)

 人類を救って幸福にすることこそが、神様を愛することなのです。(続く)

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 次回は、第三章の「自然万物を愛する」をお届けします。


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