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世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~

習近平主席が異例の軍の引き締め指示、その背景とは?

渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)

 今回は、717日から23日までを振り返ります。

 この間、以下のような出来事がありました。

 ASEAN(東南アジア諸国連合)議長声明で処理水に言及なし(17日)。米の戦略原潜が韓国・釜山に寄港中、42年ぶり(18日)。板門店JSA(共同警備区域)見学中の米国人が北朝鮮側に越境=国連軍司令部(18日)。中国外相、3週間以上も動静不明(19日)。日本海で中露が合同演習開始(20日)、などです。

 中国の人民解放軍幹部を集めた会議が720日~21日、北京で開かれました。
 そこで習近平主席は、軍幹部に対して「党の絶対的指導堅持」を指示したのです。22日に中国共産党機関紙人民日報が伝えました。

 背景には、6月下旬にロシアで民間軍事会社「ワグネル」の武装反乱が起きたことがあると見られています。
 ロシアのプーチン政権を襲ったワグネルの武装反乱を巡っては10人以上の露軍高官の関与も取り沙汰されています。

 中国にはロシアのような民間軍事会社は存在しません。しかしネットでは台湾戦争に反対する声や、「戦争には行かない」というような厭戦(えんせん)的声も上がっているとのことです。
 しかも削除されずに残っているというのです。

 評論家・石平氏は産経新聞511日付のコラムで、4月下旬当たりから中国国内のネット上で突如、台湾有事に関する「反戦・厭戦」の声が上がったと指摘しています。
 注目すべき内容として、「台湾海峡で戦端が開かれると中国は、四面作戦を強いられかねない」というタイトルの匿名文書がネット上で広く拡散されているというのです。

 匿名氏は、いったん「台湾統一戦争」となった場合、中国人民解放軍はまず、台湾海峡で台湾軍と日米連合部隊と闘うことになる。その一方、米国の策動によって親米政権の韓国が朝鮮半島で挑発的な行動に出ることもあるし、インドは中国国境で戦争を仕掛けてくる危険性もある、というのです。

 統一には賛成であっても、台湾統一戦争を発動した場合、中国が国際的に完全に孤立して欧米からの厳しい制裁を受けることは避けられません。ロシアがウクライナ戦争によってどのような困難に直面しているのか、中国国民にも届いているはずです。

 中国経済は今、不動産市場の低迷が景気回復の足を引っ張っています。マンション販売が不振で在庫が高止まり、再びの下落に向かっているのです。
 石平氏は、反戦・厭戦の文章が当局の検閲部門にも削除されず今も「健在」であることは不思議であると述べています。

 習氏は幹部に対して、「党と軍の全面的な厳格統治を持続的に推進しなければならない」とも訴えました。「戦争への備えと戦闘能力の強化」も求めました。米国との対立が激化する中で改めて軍の引き締めに力を入れる形になっています。



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