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中和新聞セレクト Vol.7
家庭力アップ講座 15

 毎週2回(火、金)、さまざまなコンテンツを配信している『中和新聞』。Blessed Life編集部が同記事のアーカイブスからおすすめのコンテンツをセレクトして皆さまに紹介します!
 第7弾は「家庭力アップ講座」(多田聰夫氏)のシリーズを毎週水曜日(予定)にお届けします。
 同コンテンツは『中和新聞』20137月~20163月に全19回で配信されたシリーズです。

15回 自尊感情をもつ子供

(中和新聞 2015年6月9日 通巻769号より)

[第4章]子供を愛する

自尊感情をもつ子供

全てのものは「個性真理体」
 「創造原理」では、全てのものは「個性真理体」として創造されていると説かれています。これは「個性」と「真理体」の2つの言葉から成っています。

 神様と人間は親子です。親なる神様は子供である人間一人一人に対して、世界で唯一の特別な個性を与えてくださっています。個性というのは、他のどこにもない「独自性」のことです。神様はその個性を愛してくださっているのです。

 一方で、誰もが普遍的に共通する内容をもっています。人間の顔には、目、口、鼻があります。すなわち、普遍的な真理を現しているので、「真理体」だというのです。

 しかし、目や口、鼻の大きさや形や太さなど、それらが全く同じだという人はいません。それが「個性」になります。

親から与えられる「自尊感情」
 人間は、一人一人が個性真理体であり、神様が愛によって育んでくださった貴い神様の子女です。子供が、自ら個性真理体であることを確認できるためには、家庭の中において、どのようでなければならないでしょうか。5つのポイントを挙げます。

①「自分はここにいるべき存在だ」と感じる。

②「家族は、自分の存在を喜んでくれている」と感じる。

③「自分の存在が家族に幸福をもたらしている」と確信する。

④「自分が好きだ」という感覚をもつ。

⑤「自分を愛してくれる人がいる」という実感がもてる。

 しかし現実は、さまざまな事情の中で親子の絆が薄くなり、自身の存在価値を見いだせない子供が多くなっています。

 肯定的な言葉や思いをたくさん心に刻み付けた子供は、自分に対して肯定的なイメージをもつことができます。そして自分が好きになり、自分に誇りをもつことができます。これは「自尊感情」とも言われ、家庭の中で、特に親から与えられるものなのです。

 ところが実際には、子供に否定的な言葉を掛けている親が多いのではないでしょうか。

 「掃除をしないから駄目、食べるのが遅いから駄目、勉強をしないから駄目、テレビばかり見ているから駄目…」。これでは自尊感情ではなく、「自己嫌悪」の感情を子供の心に植え付けてしまいます。

 子供たちの口から「めんどうくさい」とか、「疲れる」「忘れた」といった言葉が多く聞かれます。また、「自分が好きになれない」という言葉も多く聞かれます。このような言葉は、「愛の減少感」を感じた結果としての表現です。

 つまり子供たちは、自分が家庭の中で「個性真理体」として、貴い存在として認められていないと感じているのです。上記のような言葉を発することで、子供たちは親にメッセージを送っているのです。

子供に愛を届けるために
 それではどのようにしたら、子供に愛が届くのでしょうか。

 第1に、親が、子供のあるがままの姿を受け止めて愛してあげることが大切です。親が、自分の理想に添って子供を助けすぎると、子供の個性や希望をよそに、親が望むものを教えるだけになりがちです。それでは親にとって「いい子」になってしまうのです。

 第2に、「自分の願いに応え、欲求を満たしてくれる人がいる」と、子供が感じられるようにしてあげることです。この安心感が、子供の人生の支えになります。

 子供が小さいころは、よく抱き締めてあげ、肌と肌で触れ合い(スキンシップ)、目を見て笑顔で優しく話し掛け、一緒に遊んで無条件にかわいがることが必要です。

 第3に、肯定的な言葉をたくさん掛けることです。肯定的な言葉がたくさん心の中に刻まれた子供は、自分に対して肯定的なイメージをもつことができます。そして自分を好きになることができます。

 第4に、親が子供の甘えを受け入れることです。「甘えを受け入れる」ことと「甘やかす」ことは違います。

 甘えを受け入れるというのは、子供の要求に応えて、親が精神的サポートをしてあげることであり、甘やかしは、親が必要以上に子供の世話を焼くことです。

 子供は大きくなるにしたがい、いろいろな問題を抱えるようになります。友達からのいじめや先生からの叱責なども経験しながら、集団生活の難しさを感じたりします。

 そんなとき、子供は、「あのね…」と抱えている問題を親に話そうとします。それは親に対する「甘え」です。子供は、心の痛みを癒やし、安心感を得ようとして話そうとするのです。

 親がその甘えを受け入れ、子供の欲求に応えてあげると、心の支えができるようになります。それが子供の自立への準備となります。甘えを受け入れることも大切なのです。

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 次回は、「責任感をもつ子供」をお届けします。

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