シリーズ・「宗教」を読み解く 25
平和の基となる宗教統一

ナビゲーター:石丸 志信

 「『神様のもとの一つの世界』は、神様の永遠、不変、絶対の願いであり目的なので、必ず成し遂げられるのですが、まず宗教統一をしてこそ、それが可能です。お一人の父である神様に侍り、一人のメシヤのもとに神主義によって固く結束すれば、神様が共にいらっしゃるので、世界復帰、すなわち地上天国の具現は時間の問題です」。

 1976年に文鮮明総裁はこのように語られ、神が本来願われた平和と幸福と自由な世界の実現のためには、宗教の和合統一が重要であることを示された。しかし、宗派間に横たわる怨恨(えんこん)の淵は深いので、この溝を埋めるのは容易ではない。宗教者自身がより大きな視点に立って自らの存在意義を問い直し、互いに歩み寄る努力を重ねることが求められてきた。

▲1976年9月18日、「ワシントン大会」でメッセージを語られる文鮮明総裁

 これまで文総裁が数多くの国際会議を開催されたのも、このような機会を設け、宗教間の壁を超えて和解と一致協力に向かうためのものだった。賛同した宗教者たちは、まず同じテーブルに着くことから始めた。数日間、祈りを共にし、議論を重ねることで、相違点を認めながら共通点を見いだしていった。

 一対一の出会いから築かれた平和の基は、次第に次元を高め拡大していくことになる。