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世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~

韓国が2023年版「北朝鮮の人権報告書」を公開

渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)

 今回は、327日から42日までを振り返ります。

 この間、以下のような出来事がありました。

 独、ウクライナに主力戦車18両引き渡し(327日)。スーチー氏政党解散、ミャンマー(28日)。台湾蔡英文総統が米到着、中国は反発(30日)。ロシア当局、米WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)記者を逮捕(30日)。台湾・馬英九元総統、中国閣僚級と会談(30日)。トランプ前大統領を起訴、歴代初(30日)。韓国、2023年版「北朝鮮の人権報告書」を公開(31日)、などです。

 大きな決断がなされました。
 331日、韓国政府が北朝鮮の人権侵害に関する報告書を初めて公開したのです。
 「報告書」は、2017年から2022年に脱北した508人の証言を基に作成されたものですが、これまで公開されてきませんでした。

 韓国では、北朝鮮人民の人権保護と促進を目的とした北朝鮮の人権法が朴槿恵(パク・クネ)政権下で2016年に可決し、脱北者らへの聞き取り調査などを基に、2017年から毎年、報告書が編纂(へんさん)されていましたが、閲覧は政府関係者のみで非公開とされてきたのです。

 328日の閣議で尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、「北の住民の凄惨(せいさん)な人権蹂躙(じゅうりん)の実情が国際社会に一つ一つ明らかにされるべきだ」と報告書公開の意義を強調したといいます。

 そして31日、韓国統一省は北朝鮮の深刻な人権状況を詳細に記した2023年版「北朝鮮の人権報告書」を韓国政府として初めて一般公開することにしたのです。
 尹錫悦大統領は、文在寅(ムン・ジェイン)前政権との違いを鮮明にするとともに、北朝鮮による自国民の拉致問題でも、日本政府と緊密に連携していく方針を打ち出したのです。

 昨年逝去された安倍晋三氏が、憲法改正と北朝鮮による日本人拉致問題の解決に全力を傾けていたことを思うと、天の計らいではないかと感慨深いものがあります。

 報告書の中には、北朝鮮が設けた政治犯収容所11カ所のうち、現在も5カ所が運用中であり、「83号」という医療実験を施す生体実験が行われているとも指摘。韓国の映像視聴などを理由に青少年や妊婦が処刑されたことや、監視や差別される韓国人拉致被害者の実態も明記されています。

 32225日に訪日した権寧世(クォン・ヨンセ)統一相が、松野官房長官兼拉致問題担当相との会談で、拉致問題などに関する対話チャンネルの設置を提案するなど、尹政権の対北人権問題を巡る日本との連携も動き始めています。
 「拉致問題」はこれまで、韓国では南北対話の障害と見なされてきた向きがあったのです。

 さらに尹氏は、2010年の韓国哨戒艦撃沈など、北朝鮮との戦闘での戦死者を追悼する24日の式典で、遺族から「日本には謝罪しろと言う人が、私たちの子供を殺した北へはなぜ謝罪しろと言わないのか」と問われたことにも言及。「こうした見方が普遍的に広がらなければならない」と語っています。自由と人権、法の支配を共通価値とする日韓関係がようやく本格的に動き出したといえるでしょう。



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