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コラム・週刊Blessed Life 257
南北統一の道が開かれる日韓米の関係構築を

新海 一朗

 2022年5月に尹錫悦(ユン・ソンニョル)氏が韓国大統領に就任して以来、それまでの文在寅(ムン・ジェイン)政権が親北朝鮮、親中国の外交路線を貫いてきた姿勢を180度改めて、尹政権は米国、日本との関係改善を意識した外交路線に転換することを明確にしました。

 外交路線の軸足の転換は、経済関係および安全保障関係においても日米に相互依存していく体制に重心を移すことを意味しました。

 尹大統領就任当時の韓国社会では、経済分野において、「日本と緊密に協力すべき」と回答した世論調査(全国経済人連合会)の割合が68.0%に上っていること、それに比べて、「北朝鮮、中国、ロシアと緊密に協力すべき」と回答した割合がわずか4.3%だったことを考えると、対日・対米関係の重視は韓国国民の望むところであったと見ることができます。

 外交・安全保障分野においても、「米国、日本と緊密に協力すべき」と回答した割合が69.5%、「北朝鮮、中国、ロシアと緊密に協力すべき」と回答した割合が6.1%だったことは、韓国の生きる道が北朝鮮、中国との関係優先ではないと、国民自体が自覚していることを意味します。

 このような期待を受けて尹政権は誕生したのですが、相変わらず、国内の反日勢力、反日メディアの尹政権への攻撃が連日続く中、尹大統領は大きな十字架を背負って日米重視の政治方針への転換を遂げなければなりませんでした。

 難しい日韓関係ですが、日本と韓国の関係に大きな変化の兆しが見えてきました。尹錫悦大統領が歴史問題などで日本に歩み寄る姿勢を示してきたからです。
 日本に対する強硬姿勢一辺倒の文在寅政権とは大きな違いを見せたことは、驚きであるとともに、賢明な政治姿勢であると言えるでしょう。

 喫緊の課題である徴用工問題への解決に向けた尹大統領の姿勢に対して、日本側はがぜん目を見張ることになります。
 韓国側は日本に弱腰だという批判が強く、問題の解決が一筋縄ではいかないことが改めて浮き彫りになりましたが、少なからぬ紆余(うよ)曲折を越えて、ついに尹大統領の訪日(31617日)が決定し、日韓の両首脳が会談する運びとなったわけです。

 今回の会談では、日本による植民地時代の徴用工への賠償問題をはじめ、日本の対韓輸出規制、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の正常化、両国首脳が相互に訪問する「シャトル外交」の復活などが話し合われることになりました。

 とにもかくにも、八方ふさがりになっていた日韓関係が、再び良好な関係へとその扉を開くべく、大きな英断を決意実行し、役割を果たした尹錫悦大統領に拍手を送りたいと思います。

 米国がしっかりと日本を支え、日本がしっかりと韓国を支えるという図式ができてこそ、南北統一への道が開かれます。
 韓国だけではどうすることもできない半島情勢です。日韓米の協調体制を構築するときに半島問題は前進するのです。

 核・ミサイル開発を続ける北朝鮮の脅威に対抗するために、日韓米3カ国の連携は必要であり、中でも日韓関係の改善がまずもって重要だという認識を示しているのが米国ですから、今回の尹大統領の訪日を、何よりも米国は喜んでいるはずです。

 尹政権にとって国内政治の状況は厳しいものがありますが、日韓関係の改善を力強く訴えている尹錫悦政権は、日本にとって意味のある政権なのです。