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進化論から新創造論へ 24

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「進化論から新創造論へ」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 人間の祖先は本当にサルなのか? 統一思想からの提案は、科学的真理のように装ってきた進化論の終焉(しゅうえん)を告げる!

統一思想研究院 李相軒・編著

(光言社・刊『ダーウィニズムの誤りと統一思想からの提案 進化論から新創造論へ』より)

統一思想による新しい創造論

(6)万物を材料とした人間の創造
-万物の創造は人間の創造を目的としていた-

 キリスト教根本主義によれば、神は文字どおりの「土のちり」から、一瞬のうちにへそのない大人の人間をつくられたということですが、果たしてそうでしょうか。

 統一思想から見れば、すべての存在は成長期間を通じて完成するようになっています。したがって、一瞬のうちに完成した姿で現れるということはありえません。創造はまた単純なものから始まり、単純なものを材科としながら、次第に高級で複雑なものをつくるというように、秩序的に発展的になされました。さらに、創造は環境をあらかじめ準備してから、そこに住む生物をつくるという順序でなされました。したがって万物の主管主である人間の場合、すべての自然環境ができ上がってから最後につくられたのです。

 まずビッグバンすなわちエネルギーの大爆発が起こり、エネルギーから素粒子がつくられ、素粒子と素粒子が結合して原子がつくられ、原子と原子が結合して分子がつくられました。素粒子、原子、分子は宇宙をつくる材科でした。そして、広大な宇宙の中で一つの特殊な惑星である地球がつくられました。

 地球を取り巻く大気には、水蒸気、水素、アンモニア、メタン、窒素などがあり、紫外線や自然放電(雷)の作用によって、アミノ酸、核酸塩基、糖、有機酸等が形成されました。それらが海洋に溶けて、「有機物のスープ」をつくったといわれています。これは、まさに細胞をつくるための材料でした。まずつくられたのが、明確な核を持たない単細胞生物である原核生物(バクテリア、ラン藻類)です。そして、原核生物を材科として真核性の単細胞生物(原生動物)がつくられたのです。

 次に単細胞生物を材科として、多細胞生物がつくられました。今から約6億年前のカンブリア紀の始めに、突如として海洋に多細胞生物(無脊椎動物)が大量に現れたのです(生物学者たちはこれを「カンブリア紀の爆発」とか「カンブリア紀の謎」と呼んでいます/図24参照)。カンブリア紀に現れた海産無脊椎動物は、やがてつくられる脊椎動物の材科となったと見ることができます。グールドも次のように述べています。

 カンブリア紀の指数関数的増大は、地球上の大洋を生物で充満させた。それ以来、進化は、基本的なデザインの限られたセットの上に無限の変異を生み出してきた。海中の生物は多様性において豊かであり、適応において巧妙であり、そして(人間中心的な言及が許されるなら)その美において素晴らしかった。そして、ある重要な意味で、カンブリア紀以後の進化は、この爆発的段階の基本的な産物を再生利用してきただけなのである(*49)。

 カンブリア紀の海産無脊椎動物を材料として、魚類、両生類、爬虫類、哺乳類などの脊椎動物がつくられました(ここで「材料として」という意味は、遺伝子を材料としてという意味です)。そして哺乳類の中の類人猿を土台として猿人、そして原人がつくられ、原人を土台にして人間(人間の肉体)がつくられたと見ることができます。

 神は数十億年の間、全力を投入して万物をつくられましたが、それは人間をつくるためでした。そして、万物を材料として人間(肉身)を創造されたのです。ところで、人間は肉体だけの存在ではありません。「命の息をその鼻に吹きいれられた」(創世記27節)と聖書に書かれているように、人間には霊人体が与えられたのです。霊人体は霊界のすべての要素を材科としてつくられましたが、それは既に存在していた天使とほぼ同じ様相をしていました。このようにして、霊と肉からなる人間アダムとエバが創造されたのです(図25参照)。

 ここで絶滅した大森林や恐竜や、原人について考えてみましょう。万物の創造は人間の創造を目的としたものです。したがって、万物のうちで人間の生活環境として準備されたものは、そのまま今日まで残ってきたのですが、人間をつくる過程において、あるいは人間の生活環境をつくる過程においてのみ必要であったものは、その過程が過ぎ去るとともに消えていったのです。猿人や原人は人間を創造する過程においてのみ必要であったので、人間の創造とともに消えていったと考えられます。古生代の大森林は裸子植物や被子植物のための環境をつくり上げることによって、その使命を終えたのであり、中生代の恐竜は哺乳類のための環境をつくり上げることによって、その使命を終えたと見ることができます。


*49 グールド『ダーウィン以来』上巻、190頁。

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 次回は、「有神論的進化論について」をお届けします。


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