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中和新聞セレクト Vol.7
家庭力アップ講座 5

 毎週2回(火、金)、さまざまなコンテンツを配信している『中和新聞』。Blessed Life編集部が同記事のアーカイブスからおすすめのコンテンツをセレクトして皆さまに紹介します!
 第7弾は「家庭力アップ講座」(多田聰夫氏)のシリーズを毎週水曜日(予定)にお届けします。
 同コンテンツは『中和新聞』20137月~20163月に全19回で配信されたシリーズです。

5回 家庭の目的をもとう(1

(中和新聞 2014年3月14日 通巻648号より)

[第2章]心の姿勢 家庭の目的をもとう <1>

与えたい、共に暮らしたい思いのあふれる家庭
 皆さんは結婚する前、どのような家庭を夢見ていましたか。「何でも話し合える家庭」「ホッとする家庭」など、様々な夢を描いていたことでしょう。そして結婚した今、どんな家庭を願っておられるでしょうか。

 家庭の夢もいいけれど、それ以上に家庭で抱える問題のほうが大きくなってしまい、つらさや苦しみに心を奪われている方がおられるかもしれません。

 真の父母様は「真の愛は、永遠に共に暮らしたいと願う心です」とおっしゃっています。

 このみ言をもとに、もう少しイメージを膨らませてみるなら、理想の家庭の姿は「会えば、また会いたいという気持ちが湧いてくる家庭」「(親は)持てる全てのものを子供に与えたいという気持ちがあふれている家庭」など、様々に見えてくることでしょう。

 「与えたい」と思っていても、そのとおりにいかない場合もあります。そのようなとき、「与えたい心情」は「切ない心情」にもなります。

 私が単身赴任をしている時、1か月に一度、娘とデートする時間をもちました。二人でよく行ったのは、はやりのハンバーガーショップでした。いろいろな話をしながらハンバーガーやポテトなどを食べるわけですが、娘を見ながら、ふと思ったのです。

 「この子は、やがて結婚して家庭をもち、子女を授かれば、母としてどんな料理を作るだろうか? ハンバーガーばかり食べていると、ハンバーガーの味しか知らないわけだから、夕食はハンバーガーってことにもなるかもしれない」

 そして、「たまには、フランス料理のフルコースでも食べさせてあげたい。懐石料理も食べさせてあげたい。いろんな味を味わえるようにしてあげたい」と思ったのです。しかし、諸般の事情で思うようにならず、「きょうもハンバーガー…」となってしまうのです。そのようなときに、父親として切ない心情を感じたものです。

 また何でも分かち合えることも、家庭に対する一つの夢でしょう。楽しいことも悲しいことさえも分かち合いたいという思いは、家族としての一体感を感じたいからなのです。

家庭の中に天国をつくり、喜び、楽しむ
 皆さんは、家族で、または夫婦で「どんな家庭をつくりたいか」について話し合ったことがありますか。

 日本には、「家族には目的がある」と考え、「どんな家族を目指していくか」について話し合う習慣が少ないように思います。

 『原理講論』には、「神が被造世界を創造なさった目的は、人間をはじめ、すべての被造物が、神を中心として四位基台を完成し、三大祝福のみ言を成就して、天国をつくることにより、善の目的が完成されたのを見て、喜び、楽しまれるところにあったのである」(6465ページ)とあります。

 私たちの家庭の中に天国をつくり、喜び、楽しむことができる関係をつくり上げることが、家庭の目的となるのです。

「家族の絆」という実を実らせる
 しかし、日常の中で、家庭生活がなんとなく過ぎ去っていくことが多いのではないでしょうか。

 気がつけば、子供は大きくなり、お互いに心も通じなくなっていて、親は子供の気持ちに共感することができず、助けてあげることもできなくなっているかもしれません。

 刻々と過ぎ去っていく時間の中で、しっかりと踏みとどまり、私たちの心の中に「家族の種」を植え付ける必要があるのではないでしょうか。「原理」を知っているにもかかわらず、心の中で「家族の種」が根を出さず、芽も出さず、花も咲かないとなると、それはなんと悲しいことでしょうか。

 「家族の種」が根を張り、芽吹き、花を咲かせ、「家族の絆」という実を実らせることができるように、水をまいて、愛という肥料を与える必要があるのです。

 そうすれば、「家庭のような国家」「家庭のような組織」「家庭のような地域の絆」など、全てを家庭という眼鏡越しに見ることができるようになります。そのような視点に立てば、私たちは周囲の環境に大きな変化をもたらすことができるようになるでしょう。

目的地なく飛ぶ飛行機はない
 飛行機の旅を思い描いてみてください。時には、風雨や乱気流に遭遇することがあるでしょう。しかし、飛行機は初めから向かうべき目的地をもっているので、そこに向かって軌道を修正しながら飛び続けることができるのです。

 同じように、私たちの人生や家庭も、目的地がはっきりとすることで、様々な試練や壁を乗り越えていけるようになります。

 私たちの目指す「真の家庭」の中にあるのは、美しい心情文化です。それは、人を思いやる文化であり、その中にいる人たちが育成されるという文化です。そして、家族のメンバーが共にいることを、誠心誠意、喜ぶことのできる文化なのです。

 皆さんの夢は、どのような家庭を築くことでしょうか。家庭や夫婦で話し合い、感じたこと、考えたことを記録してみてください。

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 次回は、「家庭の目的をもとう(2)」をお届けします。

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