平和の大道 14
新文明創造の歴史的課題に挑戦

 皆さんは、『平和の大道』という書籍をご存じでしょうか。著者は、一般財団法人国際ハイウェイ財団の理事長、佐藤博文氏です。
 同書は、国際ハイウェイ財団が推進する「国際ハイウェイ・日韓トンネル」プロジェクトの意義や背景などについて総合的に理解することのできる貴重な一冊です。
 Blessed Lifeではその一部を抜粋して紹介してまいります。ぜひお楽しみに!

佐藤 博文・著

(『平和の大道-国際ハイウェイ・日韓トンネル-』より)

新文明創造から見た南北分断の歴史的意味
 思想を異にする二つの世界の差異が韓半島ほど顕著に際立っているところはない。南北分断は単なる国土の分断ではない。韓半島は、「自由と独裁」、「自由主義と共産主義」、「神本主義と人本主義」、「ヘブライズムとヘレニズム」、「唯心思想と唯物思想」という、相対する価値観、思想の対決の終着点である。

 これらの対決構造を別の形で表現すれば、思想対決の次元を超えて、世界史の背後を流れる「内的・精神的なものに価値を置く文明」と「外的・物質的なものに価値を置く文明」の歴史的な対立構造からなる、『文明の衝突』の著者サミュエル・ハンティントン教授の言ういわゆる「文明の衝突」に当たる。

 しかし、この衝突がただ単に衝突で終わってはいけない。両者の対決の中から、「理想世界創造を目的とした精神文明と物質文明が統合された高次元の新文明」が萌芽し成長し完結していかねばならない。これが人類史の向かうべき方向である。

 韓半島の南北統一の問題はただ韓半島の38度線を撤廃すれば良いという次元の問題ではない。人類の闘争歴史の終結を図りながら、永久平和と幸福の新文明を創造する方向での統一運動にしなければならない。

 『神様の摂理から見た南北統一』の879880ページの中で、文鮮明(ムン・ソンミョン)総裁は「今までクリスチャンは個人的怨讐だけを考えてきたのです。そうではないのです。怨讐国家や怨讐世界をも愛さねばなりません。天国に向かう出発点が怨讐国家にあるのです。怨讐国家の中心に天国の出発点があるので、そこに伝統の基盤を作って出発しなければ、地上天国は成し遂げられません。このようにして伝統を立てたなら、この先どのような歴史が続こうとも、この理想の思想、この理想を消化する主義は生まれません。四大怨讐国家に世界的な勝利の基盤を整え、天の伝統の基盤を整え、その上に天国を出発させるのです。それを成し遂げるときこそ、そこから天国が始まります。…神様のみ旨は個人の怨讐を愛することではありません。より次元の高い国の怨讐を愛するということなのです。…怨讐の間柄にある諸国家を、自分の祖国以上に愛することの出来る基礎と伝統を成し遂げておかない限り、この地上に天国が顕現することは出来ません。このような歴史的伝統を樹立するのは、神様の愛においてのみ可能なのです」と語られた。

 文鮮明総裁は、南北統一問題の根本解決に対して、国家レベルの「怨讐愛である真の愛」の実践を強調される。南北統一の根本解決方案は、南北両国間の「怨讐愛」の実践であると言われる。

環太平洋文明の創造~「新しい中世」
 評論家の堺屋太一氏は、『風と炎と』(堺屋太一著、産經新聞に連載)の中で、「これから宗教が復活する。資本主義も共産主義も物量に価値を置く文明としての近代主義である。ローマ帝国の崩壊からキリスト教中心の中世が始まった。古代地中海文明は大量生産・大量消費の物量中心の文明であった。西ローマ帝国の崩壊を前後して、価値観、美意識の転換がなされ、物を多く持っている事に価値を置かなくなり、物質文明から精神文明へと時代が質的に転換していった。それと同じく、現代は、西ローマ帝国が崩壊して中世が始まる文明的転換点に当たり、『新代』が始まる。」という趣旨のことを述べている。西洋中世は神本主義(ヘブライズム)中心の時代であったように、「新しい中世」は「新しい神本主義」の時代となるであろう。中世の神本主義は不完全であったため、ローマ教皇庁の腐敗も相俟って、神本主義のヘブライズムが人本主義のヘレニズムを統合することに失敗し、精神と物質の調和した理想的な社会を創設することができなかった。

 そのため人間性を抑圧してきた中世社会を変革するためにルネッサンス(文芸復興)と宗教改革が起こり、近代が出発した。ところが、精神的な価値よりも科学技術の発展と大量生産・大量消費に象徴される物に価値を置く近代も行き詰まりを見せ、現時点に至り終焉の時を迎え、いわゆる「新代」、「新しい中世」が始まろうとしていると見ることができる。

環太平洋新文明
 共産主義文明が終焉しつつあるように、資本主義文明も崩壊しつつあり、そのさなかで、両文明を凌駕する新文明の新世紀は始まっている。神の実在性を明確に示す新しい宗教、自由主義思想と共産主義思想を凌駕する思想が現れ、「共生共栄共義主義」の社会をつくり、人類に恒久平和と幸福を保障することのできる「新しい文明」を創造する時が現在である。この文明を「環太平洋新文明」と言う。

 新しい文明の出発地は統一された韓半島になり、そこに「理想国家」の雛形ができる。それがアジアに、世界に拡大して、国境もなくなり、多民族、超宗教、超国家の「世界国家」が実現されていく。これが歴史の流れである―このように文鮮明総裁は見ておられる。

 文明の中心地域は、古代文明の栄えた地中海周辺から、中世・近代・現代文明を主導してきた西欧諸国、米国のある大西洋に変遷したように、21世紀には文明の中心が大西洋から環太平洋に移って行き、太平洋中心の新しい文明が誕生する。

 それゆえ、韓半島の南北統一問題も、目の前のミクロ的な現実問題にとらわれることなく、「環太平洋新文明」の創造という歴史的な課題に挑戦しつつ、文明発展史のマクロ的な文脈の中でその解決方法を探らなければならない。

(『友情新聞』2012年7月1日号より)

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 次回は、「より重要な内的統一」をお届けします。


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