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愛の勝利者ヤコブ 14

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「愛の勝利者ヤコブ」を毎週月曜日配信(予定)でお届けします。
 どの聖書物語作者も解明し得なかったヤコブの生涯が、著者の豊かな聖書知識と想像力で、現代にも通じる人生の勝利パターンとしてリアルに再現されました。(一部、編集部が加筆・修正)

野村 健二・著

(光言社・刊『愛の勝利者ヤコブ-神の祝福と約束の成就-』より)

イサク献祭④

 「全知全能の神よ」と、アブラハムは居住まいを正した。「何ごともなそうとしてなしえぬことのないあなたが、ものの数にも入らぬわたしのためにこんなにも泣き、こんなにも切願されるのですか。分かりました。あなたのご事情がどのようなものかは存じませんが、それがどんなにのっぴきならぬ重要なことかということだけは、はっきり分かりました。分かった以上はもはや迷いません。ただみ意(こころ)のままに、ただみ意のままにわたしは歩むのみです。ご心配なさらないでください」。

 アブラハムはすっくと目を上げて、今しも朝日がさし昇ろうとするその場所──神が示された場所を見つめた。大気がさわやかだった。二晩を泣き通した男の声とは思えないりんとした張りのある声で、アブラハムはまわりの若者たちに向かって言った。

 「あなたがたは、ろばと一緒にここにいなさい。わたしとわらべは向こうへ行って礼拝し、そののち、あなたがたの所に帰ってきます」(創世記225)。

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 次回は、「父と子の信仰の勝利①」をお届けします。