平和の大道 9
日韓両国の共通目標に

 皆さんは、『平和の大道』という書籍をご存じでしょうか。著者は、一般財団法人国際ハイウェイ財団の理事長、佐藤博文氏です。
 同書は、国際ハイウェイ財団が推進する「国際ハイウェイ・日韓トンネル」プロジェクトの意義や背景などについて総合的に理解することのできる貴重な一冊です。
 Blessed Lifeではその一部を抜粋して紹介してまいります。ぜひお楽しみに!

佐藤 博文・著

(『平和の大道-国際ハイウェイ・日韓トンネル-』より)

⑦日韓両国の歴史的問題の解決
 日本と韓国の間には歴史上の大きな問題が横たわっている。今まで多くの試みがなされてきたが、未解決のままだ。

 問題を解決するためには、両国の共通目標を設定し、ともにそこに向かう中で、相互理解・相互信頼を深めつつ、歴史上の課題を解決していくような方法をとる以外に効果的な道はないように思う。日韓トンネルは両国にとって絶好の共通目標となり得る。

 日韓トンネルの建設を両国の共通目標とすることができれば、実際に建設を進める中で両国が深く交流するようになる。世界平和という一国の次元を超えた崇高な目的の下で共同作業をする過程で、両国間に横たわる心情的な溝も埋まっていくにちがいない。

 最終的には、日本と韓国が歴史の怨讐関係を克服して、北東アジア共同体の一員として国家的に連携するところまで行くことも予想される。

⑧韓半島の南北平和統一の契機
 韓半島の南北分断は、民主と共産の両思想が対決する世界の縮図でもあり、中東問題と並んで、最も解決の難しい現在の世界的問題の一つである。平和的に解決できれば、南北の統一は世界平和のモデルとなる。

 南北の統一がなされた後に日韓トンネルを掘り始めたら良いという意見がある。これは国際情勢をよく知らない浅薄な考えである。

 日韓トンネル建設と、中国と韓国での国際ハイウェイ建設を同時に推進することから始め、「北東アジア共同体」の輪郭を徐々に構築していく。

 まず共同体という大きな枠組みを構築し、その枠組みの中で北朝鮮が国内経済水準の向上を中心とした「ソフトランディング」をすることができるような体制にしてから、北朝鮮を平和的な南北統一の方向に導いていく。その大きなきっかけとなるのが国際ハイウェイ、日韓トンネルである。

⑨世界平和のシンボル
 大きな社会運動を推進するためには誰にでも分かりやすい「シンボル」が必要である。世界平和運動にはとりわけ世界平和にふさわしいシンボルが不可欠である。しかし、現実は世界平和のシンボルになり得るようなものが見当たらない。

 深刻な世界の諸問題を包括的に解決して、世界平和の基礎をつくる上で「国際ハイウェイプロジェクト」ほど画期的、効果的なものはない。宗教間の融合、東西文化の融合、政治統一、経済統一の道も開拓することもできる。

 このような包括的な内容を含んでいる「国際ハイウェイプロジェクト」は、世界平和の「シンボル」となる十分な資格がある。「世界平和は国際ハイウェイから」のスローガンが世界中で叫ばれるようにならなければならない。

⑩人類一家族理想という人類の夢の実現
 人類一家族世界は、万人の願いであり、人類の夢でもある。しかし、その夢も国際ハイウェイのような世界を統一できる施設が実際に世界中に張り巡らされて、地球が一人の人間の人体構造に似た姿にならないと、人類一家族という理想の世界にはならない。

 今の世界は地理的に、大陸と大陸、大陸と島が離れて分断されていて、本当の意味でひとつになることが難しく、ましてお互いに家族として暮らすには無理がある。飛行機や船舶ではなく、自動車や鉄道を使って気楽に自由に短時間で陸路を往来するようになってこそ、「一日生活圏」という家族的な交流が可能となる。

 国際ハイウェイこそ地理的に分断された今の地球を、一人の人体のように、まず地理的に統合し、そして、経済的にも政治的にも文化的にも統合し、「一日生活圏」で共に暮らすことができる一家族世界とする最善の道である。人類一家族の理想世界の実質的な実現化は、地球の大動脈ネットワークとしての国際ハイウェイから始まることは明らかである。

(『友情新聞』2012年2月1日号より)

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 次回は、「日韓トンネル建設の課題とその克服」をお届けします。


◆『平和の大道 ―国際ハイウェイ・日韓トンネル―』を書籍でご覧になりたいかたはコチラへ(韓国語版もあります)


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