「幸せな結婚」を考える 20

5章 愛の成長(後編)
夫婦の愛(2):完全利他の愛

ナビゲーター:長岡 高史

 結婚した男性と女性が育む愛を「夫婦の愛」といいます。

 ここからは「夫婦の愛」の特徴を挙げてみましょう。

 まず夫婦の愛は利他的です。夫婦には無条件的に相手の幸せを願う心が求められます。自分の幸せ、自分の喜びを主張しだすと、途端に破綻してしまうのが夫婦関係です。

 夫婦というのは家族の中で唯一、血のつながらない関係です。血のつながらない、他人同士が何によって家族になるのでしょうか。それは「愛」です。血がつながっていなくても愛によってつながっているから、家族でいられるのです。その「愛」がなくなったら、もう家族ではいられません。何十年夫婦であったとしても、離婚届け1枚で、他人に戻れてしまうのです。

 男性は女性を、女性は男性を、磁石が引かれ合うように本能で求め、出会います。しかし、その出会いはきっかけに過ぎません。その二人が、夫婦として、父母として一生共にあるためには、「無条件的に相手の幸せを願う」という決意と行動が必要になるのです。