自叙伝書写 感動体験集

20回 父がお酒をやめることができた

(東京都、44歳女性)

 父はお酒が大好きでした。量は減っていたのですが、毎日欠かさず1杯は飲んでいました。

 ある日、その父が吐血してしまい、検査してみると胃に穴が空いていて入院することになりました。原因はやはりお酒です。しばらく入院治療する中で、胃の穴は無事にふさがりました。

 でも私が心配なのは、父の退院後です。病院では飲めなかった分、家に帰ってきたら、きっとまた飲むだろう、と。実の父とはいえ、同居して世話をすること自体が苦痛に感じるような状態でした。

 そんな思いでいる時に、あるかたから「心の書写」を紹介されました。始めてからも、心の葛藤が全くなくなったというわけではないのですが、「家に帰ってきても、お酒を飲みませんように」と願いながら書写を実践していくうちに、なぜか心情的な葛藤が段々となくなってきました。

 父が退院し、家に帰ってきました。しばらく様子を見ていたのですが、なんとお酒を全然飲まないのです!

 「これ以上飲んだら死にますよ」と医者に言われたのですから、当然といえば当然なのかもしれませんが。私としては、あの心配は何だったのだろうと、うれしい気持ちでいっぱいでした。お酒を一切飲まず、なんだか人となりも変わったように感じられました。

 そして不思議なことに、以前から少しあった、父に対するわだかまりのようなものもなくなっていました。