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【テキスト版】
ほぼ5分でわかる人生相談Q&A
幸せな人生の極意!

第103回 アダルトチルドレンの生きづらさから回復する方法を教えてください

ナビゲーター:阿部美樹

(動画版『ほぼ5分でわかる人生相談Q&A』より)

 皆さん、こんにちは!

 今回は、「アダルトチルドレンの生きづらさから回復する方法を教えてください」という質問に対してお答えいたします。

 アダルトチルドレンとは、機能不全家族に育てられたことが原因で子供時代に心に傷を負ったまま大人になってしまった人です。

 アダルトチルドレンとは、精神医学の分野では、正式な病名・診断名ではありませんが、近年、児童虐待の増加が問題視されていることもあり、相当な数の人がアダルトチルドレンの可能性があると考えられています。

 アダルトチルドレンの特徴はさまざまありますが、代表的な三つの特徴を紹介します。

 第1の特徴は、「存在してはいけない」という不安です。
 アダルトチルドレンで悩まれるかたの多くが、「自分は存在してはいけないのではないか」「できるならば消えたい」と語ります。

 それは、「そのままの自分では家族から受け入れてもらえなかった」「別の自分にならないと愛されなかった」という、ありのままの自分で愛されない過去の体験が背景にあります。

 第2の特徴は「自分は攻撃される」という不安です。
 家族や仲間、社会などから否定されてしまったとき、攻撃されたと受け取ってしまいがちです。

 このような思い込みが「自分は情けない」「自分はクズだ」「自分は嫌われている」という考えになり、常に緊張と恐怖感があるので、人間関係を破綻させていくことになります。

 第3の特徴は、「自分は見捨てられる」という不安です。
 このような不安があると、捨てられないように相手に合わせようとします。

 捨てないか、捨てる気になっていないか常に確認しようとしたり、どうせ自分は捨てられるに決まっていると、最初から関わりを持とうとしなかったりします。この不安が反発の態度となり、人間関係がうまくいかなくなるのです。

 このようなアダルトチルドレンがあると、抑うつ傾向が高くなったり、燃え尽き症候群(バーンアウト)になるなど、心身が極度に疲れて感情が湧いてこなくなったりすることもあります。

 さらには、「愛着障害」「社交不安障害」「パーソナリティー障害」に近い症状が現れることもあります。

 それでは、アダルトチルドレンによる生きづらさから回復するための方法を三つ紹介します。

 第1は、「カウンセリングやコーチングを受ける」ことです。
 生きづらさを解消するために、カウンセリングを通し、過去のネガティブな出来事を捉え直す「認知療法・認知行動療法」があります。

 また、未来の理想の姿や目的を明確にして心のバランスを整えるコーチングも有効です。

 第2は、「自助グループへの参加」です。
 自助グループとは、アダルトチルドレンによって同じような生きづらさを感じている人同士の集まりのことです。

 お互いのことを話すことや、講師を招いて勉強会を催すことなどを通して、安心できる環境で自身のことを整理していきます。

 第3は、「薬物療法」です。
 アダルトチルドレンそのものへの薬物療法というわけではなく、抑うつ気分など精神的な症状が出ている場合に薬物療法を行うことがあります。

 その他にも不眠などの身体的症状が現れている際にも症状に合った薬が処方されることもあります。

 このような取り組みを通して、心身共のバランスを取り戻し、自信を持って生きる喜びの人生を取り戻していきましょう。

 皆さんからの質問をお待ちしています。
 「人生相談QA」で、ほぼ5分でお答えいたします。
 また、お会いしましょう!

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