夫婦愛を育む 18
妻は話し合いのつもりでも…

ナビゲーター:橘 幸世

 子供のことで話し合いをしようと妻が言っても、夫は自分が責められているように感じるから嫌だと言う。どうしたらいいでしょう、との質問が寄せられました。

 このご主人は正直なかただと思います。率直に自分の気持ちを妻に言える男性は決して多数派ではありません。その分、このご夫婦は夫婦間コミュニケーションのベースがあるように感じます。
 また、このかたのように、妻から話し合いをしたいと言われて応じる中で、一方的に責められていると感じる夫は、実は洋の東西を問わず珍しくありません。

 大半の男性は、一家の長としての務めを果たさないといけないと無意識のうちに思っています(結婚と同時に義務感を背負っているのです)。それで、妻が問題を提示すると、それがきちんとできていないと責められているように錯覚してしまいます(妻が普通に言った言葉で夫が怒った。「何を怒ってるの?」と妻が首をかしげるケースはよく聞きますね)。

 もちろん妻の話し方や日頃の二人の関係性にもよりますが、妻が家庭で主導権を握っている場合、そして常日頃あれこれと夫に言っている場合は特に、“話し合い”と言いながら、実は問いただされているように夫は感じるのです。
 あるいは、自分の思う方向に夫が行動してほしいと妻が思っている場合、そこにコントロールの意図を感じて夫は抵抗します。黙ってやり過ごそうとする夫もいるでしょう。
 また、男性は実務的ですので、問題があれば具体的解決策を考えます。が、その解決策が分からない場合、話し合うのは気が進まないかもしれません(職場の会議に何の案もなく臨むのは肩身が狭いのと似ているでしょうか?)。

 妻が純粋に相談したいと思って話を持ちかければ(タイミングを見計らうことも大切です)、反応は変わってくるかもしれません。が、やはりお勧めしたいのは、話し合いができる土壌を日々耕していくことです。

 夫を一家のリーダーの位置、太陽の位置に立てていくと、夫が家族会議を率先して持ってくれるようになったとの実践報告を、さまざまな年代の女性たちから頂いています。
 ある男性は、気に入らない事があればすぐに仕事を辞め転職を繰り返す、家事育児は全て妻任せ、われ関せず、というふうでしたが、妻が幸福の原則を学び実践していく中で、子供に問題があれば自分が率先して対応し、家族会議を開くまでになったそうです。

 お互いがリラックスして話せる関係を育みつつ、夫に相談したいときは、妻は前もって結論や方向性を持たずに(少なくとも結論ありきの波動は出さないようにして)、白紙の状態で臨むように心掛けてみてはいかがでしょうか。