神様はいつも見ている 40
~小説・K氏の心霊体験記~

徳永 誠

 小説・K氏の心霊体験記「神様はいつも見ている」をお届けします(毎週火曜日22時配信予定)。
 世界平和統一家庭連合の教会員、K氏の心霊体験を小説化したものです。一部事実に基づいていますが、フィクションとしてお楽しみください。同小説は、主人公K氏の一人称で描かれています。

第7部 霊界と共に生きるわが人生
3. 須佐之男大神と天照大御神

 私の母の神道の教会では、須佐之男大神(すさのおのおおがみ)が最高位の神だった。めったに降りてくることはなかったが、祭事の時や重要な局面には現れて、私たちを導いた。

 私は子供の頃から須佐之男大神の語る話を聞いて育ったが、ちょっと厳しい親戚のおじさんといった印象を持っていた。

 日本最古の歴史書『古事記』では、須佐之男大神と天照大御神(あまてらすおおみかみ)は、イザナギが黄泉(よみ)の国から逃れて、その穢(けが)れを払うために水で禊(みそぎ)をした時に生まれた神たちで、姉弟の関係であるとされている。

 まず左の目を洗った時に生まれたのが天照大御神、次に右の目を洗った時に月読命(つくよみのみこと)が、そして鼻を洗った時に誕生したのが、須佐之男大神ということになっている。

 イザナギがこの3人の神を貴い神だと言うので、「三貴子(みはしらのうずのみこ/さんきし)」と特別に呼ばれている。その中で、あまり表舞台に出てこない神が月読命だ。夜を統べる月神といわれているが、具体的にどのような神なのか、どのような権能と働きを持っているのか、謎めいた神である。

 いずれにしても、日本の記紀神話では、天照大御神と須佐之男大神は姉弟であるとされているが、本当のところはどうなのか。

 私は母を通して日本の神々と接していたので、ある程度の古代史の流れは知っていた。しかしそれは霊から教えられたことであって、学問的な根拠や証拠に基づいたものではなかった。

 歴史学者の本を読んで研究すればいいのだろうが、私が霊界から聞いている話と合わないことも多いので、今は本を読んだり、調べたりすることはしていない。

 学者の説はそれなりの根拠もあるのだろうが、霊界からの情報の方がリアルに感じている。しかも「本人」が教えてくれるのだから、それなりに信憑(しんぴょう)性が高いものだと考えているのだ。

 それで、母を通して、須佐之男大神に直接尋ねたことがある。

 「あなたは人間ですか? 天使ですか?」と。

 その答えは、「人間であった」というものだった。
 ちなみに、私の守り神である金剛龍王大神(こんごうりゅうおうおおがみ)にも同じ質問をしたことがあるが、金剛龍王大神は「天使だ」と答えた。

 須佐之男大神の姉とされる、天照大御神はどうだったのか。人間だったのか。それとも天使なのか。

 ある時、伊勢神宮に参拝した。
 普段なら母と一緒に神社仏閣などに行くと、必ずそこにいる神様が降りてくる。
 ところが、伊勢神宮には天照大御神が不在のように感じた。

 天照大御神を祀(まつ)る伊勢神宮の内宮を母と共にお参りして祈ったのだが、何の反応もなかったからだ。
 不思議に思ったが、仕方がない。

 その後、三重県熊野市の洞窟の聖地、花の窟(いわや)神社に詣でた時に、天照大御神が母に入った。

 そこで天照大御神は「須佐之男大神とは夫婦でした」と答えたのである。
 弱々しい声で話すのが印象的であった。

 これが本当のことかどうか、私は分からない。
 「神々」とは、人間だった霊たちであり、天使たちである。

 今後、霊界の真実が明らかになるとともに、古代史の謎もまた、解き明かされていくことを期待している。

(続く)

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 次回は、「死生決断、全力投球」をお届けします。