青少年事情と教育を考える 15
スマホで生活習慣に乱れ

ナビゲーター:中田 孝誠

 高校生はもちろん、小中学生にも必需品となりつつあるスマートフォン。それによるマイナス面も心配になります。例えば、生活習慣の乱れから、犯罪に巻き込まれる危険、ネットいじめ、スマホ依存などがあります。

 岡山県教育委員会が先月、県内の小4から高3までの児童・生徒を対象にしたスマホ利用に関する調査結果を公表しました。
 このうち「スマホなどを平日に1日3時間以上使っている」と答えたのは、小学生17.3%、中学生25.1%、高校生では36.3%です。岡山県の児童・生徒の利用時間は、全国平均より少し低くなっています。
 そして、スマホの時間が増えるとともに「日常生活の中で減った時間がある」というのが、小学生24.2%、中学生40.7%、高校生では48.1%とほぼ半数でした。特に減らされているのは「睡眠時間」と「学習時間」です。「減った時間がある」と答えた中高生の約6割がこの二つを挙げています。


写真はイメージです

 スマホによって子供たちの生活習慣が乱れているとよく言われますが、子供たち自身もそれを感じているのでしょう。

 成長期の子供にとって睡眠時間が減ることはさまざまな問題を引き起こします。
 もちろん夜更かしをすると朝起きられなくなったり、授業中眠くなってしまいます。
 また専門家の研究によると、寝不足になると脂肪が分解されにくく、肥満になりやすくなります。脳の発達にも影響し、海馬という記憶に関係する部位が縮小するという研究結果もあります。女の子の場合は睡眠不足で生理不順になるケースも多くなるようです。
 それだけでなく、ある調査では寝る時間が遅い子ほど自己肯定感が低い傾向があるということです。

 睡眠時間はもちろん、規則正しい生活習慣は子供の心身の成長や生きる意欲などに密接に関わっています。だからこそ国は10年以上前から、「早寝早起き朝ごはん」の運動を進めてきました。
 子育ては、まず日常の生活習慣を強く意識する必要があるというわけです。