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心情開拓
心霊を育てる生活原則(44)

 原理を生活化するために、李耀翰(イ・ヨハン)先生(1916~2019)が信仰のイロハを日本人の心情を分析しながら説かれた講話集、「心情開拓~心霊を育てる生活原則」を毎週金曜日配信(予定)でお届けします。
 家庭連合の教会員の皆さまはもちろん、世代を超えて多くのかたに読んでいただきたい書籍です。

李耀翰・著

(光言社・刊『心情開拓~心霊を育てる生活原則』より)

4 復帰歴史に見る生活原理
(1970年1121日)

▲李耀翰先生

カイン・アベルの立場と動機

 カインは復帰摂理の内容も、堕落性を脱ぐ方法も知らず、ただ神と一緒になりたいだけでした。自分がどういう立場で責任をもち、どのように通過すればいいかを知らなかったのです。だからカインは、アベルが祝福を受けたあとに自分が減少感を感じたのを、どうしたらいいのかを知らなかったのです。知っているのは、自分の目的をアベルが果たしたということと、アベルが自分よりも神に近い人物であるということです。

 しかし、そこまで知っていれば、アベルに対して、どうしたらいいのかも知っているはずなのです。愛すべきか、憎むべきか、侍るべきか、それを知っていたし、そして、神に「どうしてお前は不快に思っているのか。お前が不快に思えば、サタンの願い、目的を果たすようになるじゃないか」と言われたことによって、神が愛した人物に不快心をもってはいけないということをも知っていたのです。

 しかし、自分が不快心をもてばサタンがどう喜ぶかということが、カインの立場上、ちょっとあいまいであり、自分の条件は、だれが好んで立てさせようとしたのかをカインは知らなかったのです。それを知っていれば、すぐに気持ち良くなれるのですが、カインは不快心をもったまま過ごしてしまったのです。だから、不快心が種となり、罪に成長して、アベルを殺したという結果になってしまったのです。

 そういうことを父母は、知らなかったのでしょうか。カインが不快心をもった時、苦しくなって、どこへ行って告白し、相談したのでしょうか。人間は自分に非原理的な条件があれば、病気になると苦しむように、苦しむのです。

 原則でない考え方をすると、だれかと相対関係を結んで授受しないと、霊的に、良心的に苦しいので、必ず自分の相手を探すようになるのです。

 だから自分が不快であれば、これを認めてくれる人を探すのです。では、カインは不快心をもってだれを尋ねていったのでしょうか。お母さんを尋ねていったのではないでしょうか。そして、そこに行って自分の事情、自分が不快になった動機と内容を話したかもしれません。

 しかしその時に、「そういう時は、兄さんとか弟とかいう位置を闘うのではありません。神の立場に立っている弟に不快心をもっては、神に対して失礼です」とお母さんがしかって相手にしなければ、繁殖する場所と相手がないので、それを行動に発展させにくくなるのです。アダムもエバもアベルも、みんなアベルの立場だから、カインは一人でどうにもできないのです。

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 次回は、「お母さんとカイン」をお届けします。


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