青少年事情と教育を考える 189
子供たちの特別の才能を伸ばす教育とは 1

ナビゲーター:中田 孝誠

 特定の分野に飛び抜けた才能を持つ子供たちが、その才能を伸ばしていくためにどのように支援するのか。

 指導や支援の在り方を文部科学省の有識者会議が議論を続けています(正式には『特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する学校における指導・支援の在り方等に関する有識者会議』です)。

 特異な才能というのは、スポーツや芸術分野が分かりやすいですが、それだけでなく科学技術などさまざまな分野を対象にしています。

 有識者会議が行ったアンケート調査によると、特異な才能として「生後10カ月程度で日本語と英語でしっかりとコミュニケーションがとれる」「小学3年生で独学で高校や大学レベルの数学を学ぶ」「8歳で量子力学や相対性理論を理解していた」「5歳でリズムや和声を理解し即興でバンドに入って演奏できる」というように、言語や科学、音楽、芸術、さらにパソコンや将棋などさまざまな分野の例が紹介されています。

 ただ、子供たちは、勉強で周囲に合わせるように言われて授業中に暇を持て余したり、同級生と話が合わなかったりといった困り事も少なくないと述べています。

 日本にも以前から「飛び級」の制度があり、現在は理数系の人材を育成する「スーパーサイエンスハイスクール」事業や、大学などが小中学生に特別のプログラムを提供する「ジュニアドクター育成塾」など、民間も含めてさまざまな取り組みがあります。

 しかし、これまではそうした才能を見つけて伸ばすという議論が、国のレベルであまり行われていなかったというわけです。

 有識者会議は、今年中に結論をまとめることにしています。
 もちろん、こうした子供たちだけでなく、どの子もさまざまな才能、資質を持っていることは言うまでもありません。それをきちんと見つけて、できる限り伸ばしてあげる教育を行うことが、学校だけでなく家庭の使命でもあります。