2022.02.06 22:00
神の子を生み育てるために 23
親子の絆をつくる重要な期間
アプリで読む光言社書籍シリーズ、「神の子を生み育てるために」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
これから妊娠・出産を控えているかたにも、そして子育て真っ最中のかたにもぜひ読んでいただきたいシリーズです!
須永孝子・著
親子の絆をつくる重要な期間
常に語りかけやスキンシップを
あるフリーペーパーに「国際ボンディング協会」の鮫島浩二会長(埼玉県熊谷市の産婦人科病院副院長)の話が掲載されていました。その中で鮫島会長は、キレる17歳、乳幼児虐待、度の過ぎたいじめや殺人、また青少年の性犯罪、プチ家出など、ストレスや心の病から来る事件が続発している現状について、「事件を引き起こした人の背景を追求していくと、原因はかなりの割合で、新生児期、乳幼児期の親子関係のもつれにある」と推測しています。そして、赤ちゃんのときに心のケアが十分されていれば、子供の異常行動や、成人してからの社会的不適応が防げると提言しています。胎児のころからのコミュニケーションや乳幼児期のスキンシップなど、親と子の絆づくりに目を向けていこうと、いろいろなノウハウを提供している協会を紹介していました。
私が保育園の園長をしていたときも、赤ちゃん体操とかマッサージなど、コミュニケーションを大切にし、保育に取り入れていました。そして、入園前の家庭に対し、入園の準備として、子供の1か月ごとの成長段階に応じた母親の働きかけ方の例をプリントして配付しました。
新生児から乳幼児期までにおいて重要なのは、五感による刺激です。五感を通していろいろなことを感じ、体恤(たいじゅつ)していきます。それは主に母親との愛情豊かな信頼関係の上で得られます。母性にあふれた皮膚による接触には快感が伴い、それが愛情をはぐくむ源となるのです。
新生児から1か月児は、胎外の生活に適応していくための基礎づくりの期間です。おなかが空けば泣き、おなかがいっぱいになれば眠る、お尻が汚れれば泣き、気持ちが良いと起きて周りを見、また寝る、という繰り返しです。赤ちゃんが眠りたいときは十分に眠らせましょう。
授乳やおむつの交換、沐浴の時など、目を覚ましているときは、いつも語りかけ、マッサージなどをしてあげましょう。美しい音楽を流すなど、リラックスできる環境をつくってあげ、外気浴を徐々に行っていきましょう。季節に応じ、部屋の温度や換気に気をつけながら、赤ちゃんの体温が熱くならないよう、また寒くならないよう気をつけましょう。
2〜3か月児になってくると、四肢の筋肉も少しずつ発達してきて、腹ばいをさせると、あごを上げるようになってきます。そして積極的に周囲を探索し始め、いろいろなことを取り入れて、それらを体恤し、精神化(霊化)していきます。
情緒の表現として、快は弱く、不快は強く表します。生理的欲求を的確につかんで満たしてあげるよう心がけることが大切です。快の反応は弱いけれど、キャッチして大きく引き出してあげると満足します。
手足を動かしたり、口をパクパクしたり、舌を動かし始めるのは、話をするための準備です。それを助けるために、よく語りかけ、コミュニケーションを大切にしましょう。
マッサージ、赤ちゃん体操やリラックスなど、成長段階に応じた一日のプログラムを作って、健康状態を考慮しながら徐々に行っていくとよいでしょう。こういう基礎づくりが、基本的な生活習慣を形成していく上で重要となってきます。
---
次回は、「授乳時は愛もプラス」をお届けします。