コラム・週刊Blessed Life 201
大宇宙と小宇宙~人権の根源を考える

新海 一朗

 聖書を見ると、冒頭の創世記に神による天地創造の記述があり、最後に人間創造をもって神の創造の御業(みわざ)が完結したことが書かれています。

 神は人間を創造する時に「神は自分のかたちに人を創造された。すなわち、神のかたちに創造し、男と女とに創造された」(創世記 第1章27節)とあり、「神のかたちに似ること」=「男(+)と女(-)のペアの創造」を意味するものであったと言っています。

 宇宙の歴史は、今から137億年(または138億年)前に起きたビッグバンに始まったというのが、現代科学の定説です。

 見えない無形の神が、宇宙という目に見える有形世界を創造する際に、神はご自身のかたちである「+」と「-」を授受させることによって、繁殖作用(創造エネルギーの発出)を起こし、「+・-」というシステム(神のかたちに似たシステム)で、宇宙・自然万物・人間の一切の存在世界を創造されたと解釈することができます。実際、「+・-」のシステムで、宇宙も自然も人間の人体構造も満ち満ちています。

 古代ギリシャの医学において、宇宙を大宇宙(マクロコスモス)としたのに対して、人間を小宇宙(ミクロコスモス)としたことは、言い換えれば、人間は宇宙の縮小体であり、宇宙は人間の拡大体であるということになります。
 実際の宇宙と人間を対応させたのは、人間が宇宙の全ての構成要素に対応する諸部分を持っていると考えたからです。

 16世紀のスイスの医学者パラケルスス(1493~1541)は宇宙と人間のこのような対比を受容し、イタリアの哲学者ジョルダーノ・ブルーノ(1548~1600)はコペルニクスの天文学を基礎にして、「無限の宇宙は内在的な世界霊魂であるところの神を象徴し、人間は大宇宙に連なっている一つの『神的存在』である」と考えました。

 パラケルススとブルーノの考え方の類似点は、宇宙と人間がつながっているとしたことです。そして、大宇宙は人間を拡大したもの、人間は大宇宙を縮小したもの、その両者は、いずれも「世界霊魂」と「神的存在」と語ることによって、「神のかたち」を表すものであると言っているのです。

 宇宙と人間の関係に対するこのような歴史的考察を振り返ってみるとき、人間の価値をどう見るかという問題がクローズアップされ、「人権(human rights)」という言葉で語り尽くせないほどの崇高神聖なる価値を人間は有していると見なければなりません。

 現在、中国は新疆(シンチャン)ウイグル自治区のウイグル人に対して人権蹂躙(じゅうりん)を行っていることは厳然たる事実です。
 その政策はジェノサイド(民族殺りく政策、民族抹殺政策)であると報じる欧米のメディアに対して、中国は猛烈に反発しています。

 人間の価値が神的存在としての価値を持っているとするならば、人権を蹂躙し、一つの民族を抹殺する政策を実施することは、宇宙を創造し、人間を創造された神に対する反逆行為であり、神を恐れぬ最大の蛮行です。

 無慈悲で非情な統治を断行する中国共産党は、ウイグル人に対してだけでなく、同じ漢民族へも共産党に楯突く者に対しては容赦しない悪逆な政策を実行した歴史を持っています。
 毛沢東の文化大革命は、同じ漢民族に対して行われたのであり、その毛沢東になろうとしているのが現在の習近平であるということです。