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信仰は火と燃えて 12
神戸の種火

 アプリで読む光言社書籍シリーズ、「信仰は火と燃えて」を毎週金曜日配信(予定)でお届けします。
 教会員に「松本ママ」と慕われ、烈火のような信仰を貫いた松本道子さん(19162003)の、命を懸けてみ旨の道を歩まれた熱き生きざまがつづられた奮戦記です。

松本 道子・著

(光言社・刊『信仰は火と燃えて―松本ママ奮戦記―』より)

神戸の種火
 またある日のことです。河津さんと一緒に、いつものように路傍伝道をしていると、クリスチャンセンターにたくさんの牧師夫人が集まって集会をしている、という情報が入りました。

 私は、これはチャンスだ、とピンとひらめくものがあったので、河津さんを先に帰し、その牧師夫人の集会に参加することにしたのです。

 けれども、このままの格好ではとても行くことはできません。そこで急いで近くのデパートに、洋服を買いに行きました。並んでいる服を見るとどれも45000円近い値段がついています。ところが、私の手元には2500円しかお金がないのです。しかしなんとかしなければならないので、そこの責任者に会って話をしてみました。

 「私はいつも駅の前で路傍伝道をしている伝道師ですが、実は急遽(きゅうきょ)行かねばならない所がありまして、あの服を着て行きたいのですが、今手元には2500円しかありません。残りはきょうの夕方かあす必ず持ってきますから、ちょっと貸していただけませんでしょうか」

 デパートで服を貸してくれるはずがないとは思いましたが、無理を承知で、当たって砕けろとばかりにぶつかってみたのです。すると即座に「いいでしょう。あなたのことはよく知っています」という返事が返ってきました。とても意外なことだったので、天にも昇る気持ちで感謝して、さっそく着替え、顔を洗って、髪をとかし、ちょっと口紅をつけて出掛けて行きました。

 クリスチャンセンターに着くと、約100人ぐらいの婦人が集まっていて、平和運動をしている野々宮さんという婦人が、東南アジアを旅行した時の話をしているところでした。彼女は「仏教はいろいろな派を越えて、みんな和合統一する方向へ行っているのに、キリスト教はいつも分裂ばかりしていて、これは本当に嘆かわしい」ということを言っているのです。私は「そうだ」と言って拍手をしました。

 その時、私の方を見て“なんだあの女、ここにも来たのか”という顔をする人もいましたが、話を真剣に聴いている人は一緒に拍手していました。私は拍手をしながら、「そうです。先生の話はもっともです。キリスト教は今や統一されなければならない、宗教が一つにならなければならない時が来ていると思います。先生は本当に素晴しいことをおっしゃってくださいました。ありがとうございます」と言って、野々宮さんのそばに行って握手を求めたのです。

 そんな私の態度を見て、つかつかと私のそばに寄ってきた婦人がいました。神戸の教会から来ている山路美知子さんという人で、お互いに自己紹介をし、名刺をもらって、またいつか改めて会うことを約束して別れました。この山路さんと会ったことが、その日の大きな収穫だったのです。

 何日かしてから電話をしてみると、すぐ来てくださいと言うので、さっそく出掛けて行きました。そして、その日は一日山路さんと神様の話をして、最後に「『統一原理』を聴いてください」とお願いし、序論だけを話して帰ってきました。ところが、山路さんはその序論だけで心が満たされ、すぐにも全部聴きたいと言い出したのです。私は大阪から神戸まで、講義に通うことになりました。

▲山路美知子さん(右)と

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 次回は、「寂しかった神様」をお届けします。


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