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【テキスト版】
ほぼ5分でわかる人生相談Q&A
幸せな人生の極意!

第64回 分かりやすい話し方の秘訣を教えてください

ナビゲーター:阿部美樹

(動画版『ほぼ5分でわかる人生相談Q&A』より)

 皆さん、こんにちは!

 今回は、「分かりやすい話し方の秘訣(ひけつ)を教えてください」という質問です。

 話を聞くときに「長い話」は嫌がられる傾向にあります。長い話は分かりにくく、同じ言葉が繰り返されてくどいというイメージがあるからです。

 しかし長い話でも喜ばれる場合があります。
 それは「分かりやすい話」です。話に分かりやすさがあると印象的な話になり、たとえ時間が長くても聞くのがあまり苦になりません。

 そこで、分かりやすい話し方の秘訣を二つ紹介します。

 第1の秘訣は、分かりやすい話には「結論」と「根拠」と「事実」の3本柱があることです。この三つのどれか一つでも欠けると曖昧な話になり、分かりにくくなってしまいます。

 まずは、「結論」という主張を明確にすることです。
 時系列で話をして結論を最後に話す人がいますが、そのようにしたら聞き手にとっては大変分かりにくい話になるものです。
 話を聞く相手が一番知りたいことは結論ですから、それを最初に伝えます。

 次に、結論を理解してもらうためには「根拠」(理由付け)が必要です。ある主張をすれば、賛成意見だけでなく疑問や反対意見も出てくるので、それを説得できるような明確な根拠を話すことが必要です。

 それは、「なぜなのか?」という問いに対する答えです。そのとき、曖昧な言葉では相手に伝わりません。

 例えば「大きい」という言葉ならば、それは何と比べて大きいのか、また「近い」という言葉であれば、それはどこからどこまでが近いということなのかなど、同じ言葉でも人それぞれ捉え方が違いますから、誰もが理解できる「定義付け」が必要です。

 このように、話の中で共通の土台をつくりながら、具体的な解説をして理由を伝えます。
 さらにデータに基づいた「事実」という具体例があれば、話はより鮮明になります。身近な話、エピソード、例え話などの事例がないと、話に実感が湧きません。

 このように、「結論」と「根拠」と「事実」の3本柱をいつも意識して表現してみましょう。

 分かりやすい話し方の秘訣の第2は、「ストーリーで話すこと」です。
 スタンフォード大学のジェニファー・アーカー教授は「話にはストーリーがあると、そうでない場合に比べて22倍記憶に残りやすい」と主張しています。

 伝えたいことに印象的な体験談やエピソードを加えて物語のように話すことです。すると、聞き手に強い印象を与えることができます。これを「ストーリーテリング」といいます。マーケティング分野などのビジネスでも、このストーリーテリングは重要な要素の一つとして注目されてきました。

 ビジネス書の場合、10万部、20万部でも売れたらベストセラーとして注目されます。ところが、話題になった小説の場合は、その数は100万部、200万部にもなります。
 小説のように印象に強く残るものは広まりやすいと言えます。

 例えば、「経営の父」といわれてるドラッカーの経営書は、根強い人気がありながらもそれほど広まりません。
 しかし、「もしドラ」という言葉で話題となって広まった「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」という小説があります。この小説は大ベストセラーとなり、漫画、アニメ、映画化までされて大注目されましたが、これはその例です。

 ですから話の作り方としては、一番重要な話を物語にするのです。聞き手は「自分によく似ている」とか、「この状況って私と同じだ」と、その物語の中に自分自身を当てはめてイメージし、共感するようになります。
 すると、聞き手の心の中に強く印象付けられていきます。

 このようなストーリー性を持たせる工夫をしてみましょう。
 そうすれば、聞き手にとって分かりやすい話になることでしょう。

 皆さんからの質問をお待ちしています。
 「人生相談QA」で、ほぼ5分でお答えいたします。
 また、お会いしましょう!

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