私の心の中にいる神様 95
何てこった!

 良心との対話で、ワクワク感が止まらない!
 毎週土曜日に配信予定です。

何てこった!

(海外在住 日本人女性 50代)

 国際祝福を受け、夫の国に嫁ぎました。

 私の夫は人を喜ばせることを知りません。家族の催し物はほとんど私が考え、実行してきました。夫から「僕も手伝うよ」とか、「今回はどうする?」などと言われたことは、28年間の結婚生活で一度もありません。何から何まで私を頼り、私が企画したものを、子供と一緒に喜んでいます。

 また、仕事から帰ってきても、「ただいま」だけ。「今日はこんなことがあったよ」などと共有してくれることは一切ありません。
 気付いてほしい、夫からも声を掛けてほしい、夫婦一緒に子供のための楽しみを創造したい。そういう叫びを上げても、そのたびに夫の返事は「分からない」でした。

 こんなはずじゃない、どうして気付いてくれないの? 普通気付くでしょう? あなたはおかしい。私を幸せにしてあげたい、喜ばせたいと思わないのかしら?
 もう、こちらから「こうしよう、こうして」と言うことに疲れました。嫌になりました。言いたくもありません。気付いてほしいのです。夫から「こうしようか」と言ってほしいのです。

 そんな葛藤が28年間、いつも私の心の中にありました。

 夫は家庭を顧みず、仕事が命の人です。田舎の貧しい家に育ち、夫が小学生の時に父親が病気で7年間入院して、生活は大変だったそうです。その影響かどうかは分かりませんが、私には「心情の乏しい人」に感じられました。

 一方私は、両親の仲が良くなかったため、幼い頃から結婚に対して理想を思い描いていました。それが私にとって希望でしたし、永遠の夢でもあったのです。

 還暦になろうとしている私たちですが、天国生活から程遠い家庭のまま、子供も社会人や大学生になり、家を出ました。私の理想家庭実現の夢は、もうタイムリミットを過ぎてしまいました。

 そんな時、「このままでいいのか?!」という思いが湧いてきました。
 よくよく考えたら、私は夫と霊界も一緒! 私はこの人と愛で心から一つにならなければならない! このままでは永遠に後悔する人生になる! と自覚させられたのです。

 「全てを許します! 天の父母様、今まで悲しませてごめんなさい!」
 「これから必ず夫と幸せになる! 今までの全てが感謝!」
 こう自分に言い聞かせて、その日を過ごしました。

 その夜、思いがけないことが起こりました。久しぶりに夫が食事に誘ってくれたのです。そこは、いつも行くところより値が張るシーフードレストランでした。

 そこで夫は、ただ蒸しただけのキャベツや野菜を見て、「父さんがよくこれを食べていた」と懐かしそうに話しました。そして、それだけをおいしそうに一皿食べたのです。
 何でもない蒸し野菜を懐かしそうに、そして穏やかな表情で食べる夫。父親を思い出して幸せそうにしている夫──。

 そんな夫を見ながら、ふいに、夫の今取り組んでいるみ旨を実現させてあげたい、夫にたくさんの幸せな思い出をつくってあげたいという思いがあふれ出てきたのです。これは本当に思いがけないことでした。

 私の本心はとうの昔に、「分かってほしい」という願いが無駄だと気付いていたのです。でも若い頃から抱いていた結婚への夢、理想を手放すことができなかったのです。また、手放すものでもないと思っていたのです。

 そんな夢や理想も手放さなければ、夫と心から幸せを共有することはできないのか。理想や夢までも手放すなんて「なんてこった!」ですが、希望、夢、結婚生活の理想すらも私が幸せになる足かせになっていたことに気付いたのです。夫を自分の理想でがんじがらめに縛っていたのだと、ようやく気付いたのです。

 もし「自己牧会プロラム」に出合っていなかったなら、気付くこともできないまま、祝福を受けたことすら、恨(ハン)になっていたかもしれません。
 私の心を囚(とら)われから解き放ってくれた「自己牧会プログラム」に心から感謝いたします。

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 次回は、「良心の答えはいつも予想外」をお届けします。


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