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心情開拓
心霊を育てる生活原則(24)

 原理を生活化するために、李耀翰(イ・ヨハン)先生(1916~2019)が信仰のイロハを日本人の心情を分析しながら説かれた講話集、「心情開拓~心霊を育てる生活原則」を毎週金曜日配信(予定)でお届けします。
 家庭連合の教会員の皆さまはもちろん、世代を超えて多くのかたに読んでいただきたい書籍です。

李耀翰・著

(光言社・刊『心情開拓~心霊を育てる生活原則』より)

2 個人と教会の発展のために
(1970年6月26日)

▲李耀翰先生

永遠性のある基盤をつくる

 教会勢力は、教会長によって、ある期間が過ぎると、それ以上は発展できなくなる教会があります。個人の信仰勢力が、ある期間が過ぎたのち、行き詰まるのと同じく、教会自体も、30名や50名ぐらいで止まったり、人によって100名とか120名、ある数までいって、それ以上伸びないのです。120名ぐらいの信者をもてば、理想的な教会です。

 伝道師はみな若く、また、自分自身が人を指導できるぐらいの基礎がなかったり、知識的にもそうであったりします。また、国内の信者の統計をとってみれば、高卒の人が多く、それから先祖が良くて霊的な協助が良かった人、その本性が良くてこの理念によって召命されて、今まで走ってきた人などが多いのです。それで、これからの問題について考えてみましょう。

 まず、個人がどれだけ全体に影響を及ぼす原動力者になるかということです。教会の教会長自身も、一つの核心となって、無限に原動力をもつ者にならなければなりません。私たちは一生涯、原動力を発動する基盤をつくっていかなければならないのに、ある期間が過ぎたら、もう行き詰まってしまう人が多いのです。だから一生涯、地上にいる間、神に必要な者、神になくてはならない者となるには、どういう自分の内容と位置を獲得すべきか、という問題です。

 パウロとイエス様は、死の十字架にまで、使命にあふれてその生涯を終えました。アルファとオメガが同じだったという生涯をもっています。私たちは、そうではないのです。私たちは、ある期間が過ぎれば無用な者になってしまうのが、私たちのくせです。3年なら3年間必要な者となって、そのあとは、何となく変化してしまうのです。それで神は、それ以上続けられず、信仰人物を新たに選択されるのです。

 そこで私たちに、存在している今が、どれほど続くかということが問題です。今日に至った私たちは、永遠に続けられるかという問題です。どれほど未来性のある仕事をやっているか、永遠性のある人格か、永遠性のある基盤をつくっているか、です。

 私たちは今、資本金をもって、もうけているのでしょうか、マイナスになっているのでしょうか。私たちの存在基台、人格的な影響力は増えているでしょうか。一生涯生きながら財産を増やせば、支払うのも増えるのですが、結果的に増えるのです。泉から水をいくら使っても、尽きないように、私たちの信仰もそうでなくてはなりません。泉は、いくら使っても、一定の水をいつも保っているのと同じく、いくら私たちが心を尽くし、誠意を払っても、自分の出発当時の信仰自体、姿勢は維持しなければならないのです。いくらその苦労、危険を経験しても、いくら自分が公のために使われても、自分はもうけなくてはならないのです。
 しかし、すぐ私たちは赤字になってしまうのです。

 なぜかというと、そのお金は、涙なしにもうけたものだからです。お金というものは、汗なしにもうけたものは、使いやすいのです。自分の手で成功した人は、使いながらも、もうけるという一方向性があることを見て、ポンと使うのに、汗なしにもうけたお金を持っている人は、使う道しか見えないのです。これを使った結果、どれほど回ってくるという道を知らないのです。

 それと同じく、私たちのもっている真理は、勝利したのちの真理でなく、私たちのもっている恵みは、自分がサタンに勝利して得たものではなく、人からただ恵沢でもらったものなのです。だから、へたをすると資本金までみな使ってしまいやすい立場に立っているのです。だから3年、7年たつと、赤字になって、損をしてしまうのです。それが、今まで信仰人物たちが失敗したやり方なのです。

 だから私たちは、どういう経験をしても、どういうつらい味を味わっても、自分がもうけながら支払わなくてはならないのです。払う時には、自分も誠意を払うとか、何のために働くとか、何のためにやるとか、何かそれ以上のものをもうける見込みがあった時に、自分が涙を流しながら汗を流さなくてはならないのに、ただもう、これが正義だ、というところばかりねらってやったのちには、みんな使ってしまいます。そういう面を私たちは、利口に、原理的に危険を経験するとか、冒険するとかするのです。

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 次回は、「神の立場から誠意を尽くす」をお届けします。


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