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青年よ行け、そして世界を救え
21世紀の青年運動への提言(15)

 36家庭の朴普熙(パク・ポーヒ)先生(1930~2019)による講演「青年よ行け、そして世界を救え」を毎週月曜日配信(予定)でお届けします。

(光言社・刊『青年よ行け、そして世界を救え』より)

五、神と再臨の救世主、共産主義から人類を解放

SDI(戦略防衛構想)への貢献①

 ソ連の終焉(しゅうえん)に最後のとどめをさしたのは、何といってもSDIという戦略防衛構想の政策化でありました。

 冷戦時代のアメリカの防衛システムは、DETERRENT POLICYすなわち、抑止(よくし)政策であり、それからあみ出したのがMAD戦略、MUTUALLY ASSURED DESTRUCTION すなわち「相互確証破壊」戦略であります。その意味は「お前が俺を打てば、俺もお前を必ず殺す」という戦略であります。

 一言でいえば「ソ連が核兵器による先制攻撃(FIRST STRIKE)を加えるならば、アメリカは報復攻撃(SECOND STRIKE RETALIATION)で必ずソ連を滅ぼす」という戦略であります。

 ところが、ソ連の核兵器の量がアメリカをはるかに上回るようになり、また核兵器の破壊力が致命的に大きくなるにつれて、アメリカは報復攻撃(SECOND STRIKE)に自信がなくなったのでございます。アメリカがソ連のFIRST STRIKEに生き残るという自信が薄らいできたのであります。それにまたアメリカは、いったんは全滅的破壊を覚悟しなければなりません。

 そこで、去る(1995年)12月、ワシントンで70歳で亡くなりましたが、アメリカのダニエル・グラハム将軍はHIGH FRONTIERという新しい戦略構想を生み出したのであります。それがSDIであり、それはアメリカ大陸に核の傘をかけることであります。「ソ連よ、あなたのミサイルはいくら撃っても、うちには一発も当たりませんよ。核兵器で勝利しようとする妄想を捨てなさい」ということです。ソ連が発射したミサイルを、アメリカに渡る30分間に、宇宙でことごとく迎撃してしまう新戦略であったのです。

▲ワシントン・タイムズ紙に掲載された漫画評論

 この戦略は、ソ連とアメリカの間に衛星による網を3枚張ることです。ソ連から発射されたミサイルは、大体第1の網で捕らえてしまう。それを抜け出たミサイルは、第2、第3の網で完璧に捕らえてしまうという構造であります。ところがレーガン大統領は、猛烈な左翼リベラルの反撃により、この政策を取り上げることができませんでした。

▲SDI概念図1

▲SDI概念図2

 この時、毅然(きぜん)と立ち上がってレーガンを助け、アメリカの世論をSDIの方に決定的に導いたのは、ほかならぬワシントン・タイムズでありました。

 これがレバレンド・ムーンの鉄の意志に基づいて成されたことは、言うまでもありません。ワシントン・タイムズは、反対派をことごとく黙らせました。

 そして、1983年3月23日ついにレーガンはSDI構想を正式にアメリカの国防政策として取り上げたのでございます。この日こそ、ソ連没落の始まりだったのでございます。

 ソ連はこれに対応する、何ら戦略をもちませんでした。そしてソ連の経済はもう、破滅状態にきていました。

 ソ連はついにかぶとを脱いだのでございます。

 ソ連の世界赤化の野望は、ここでついに破れたのでございます。

 ワシントン・タイムズは、1988年、ジョージ・ブッシュ大統領の選挙を応援し、当選を支援しました。ついに1989年11月9日、ベルリンの壁が崩れました。そして約2年後、1991年12月25日、クリスマスの夜、ゴルバチョフ・ソ連大統領は、クレムリンで最後の演説を行い、ソ連という共産主義宗主国は、ついに地上から姿を消したのでございます。革命から74年ぶりであります。

▲ブッシュ米大統領との会見

 これは、偉大な勝利でございました。ソ連を崩壊させることにより、世界赤化を防止し、人類撲滅の核戦争を防いだのでございます。言い換えれば、人類の滅亡を防いだ偉大な勝利であるということでございます。

 旧ソ連を崩壊させ、核戦争の脅威を解消した世界最強の新聞ワシントン・タイムズは、自由世界の恩人であり、また日本の恩人でもあると、『世界最強の新聞』(戸丸廣安著、光言社刊)と題した本が証言しております。

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 次回は、「SDI(戦略防衛構想)への貢献②」をお届けします。