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神の子を生み育てるために 8
複雑で精巧な創造のシステム

 アプリで読む光言社書籍シリーズ、「神の子を生み育てるために」を毎週日曜日配信(予定)でお届けしています。
 神の子を迎える準備から、胎教の方法、出産後の信仰教育や親子関係まで、子育てに関連する内容が分かりやすく解説されています。
 これから妊娠・出産を控えているかたにも、そしてまさしく子育て真っ最中なかたにも、ぜひ読んでいただきたい連載です!

須永孝子・著

(光言社・刊『神の子を生み育てるために』より)

複雑で精巧な創造のシステム

神のロゴスを受けて誕生
 妊娠してから12か月の期間は、土台づくりの時期です。卵と精子が結合すると力が働き、細胞が分裂し増殖します。

 その一部は母体の子宮の内面に広がって栄養分を吸収する役目をする絨毛(じゅうもう)になります。他は胎児の体の原型(胎芽)になり、絨毛が吸収してくれる栄養や酸素をもらって、一定の方式に従って頭になる部分、胴体になる部分、手足になる部分、また皮膚、骨、筋肉、内臓など、形や性質の違う組織の組み合わせができます。また一定の機能を基に胎児の発育を助ける胎盤などの部分が形づくられていきます。

 小さな子宮の中での営みですが、人間が極めて複雑で精巧なシステムの流れの中で創造されているという生命力の神秘さを感じます。

 この生命力、つまり個体を成長、発達させる力を、ルソーは「自然の力」と言い、科学者は「エネルギーの力」と言い、フロイトは「性的な力(リビドー)」と表現しています。

 統一思想では「生命とは、潜在した意識、あるいは潜在した理性である」と定義し、生命体を維持し、引っ張っていく、そういう力が潜在していると言っています。さらに、「生命の中には、隠れた意志が備わっており、それが目標を立てて、一定の方向に成長、発展させていく」と言っています。

 こうした生命は、それ自体、原理の自律性によって、感知性、覚知性、目的性を持っているのです。それがどこから来るかというと、人間という存在の一番初めの原因である神から来るのです。

 教育者であり哲学者であるイタリアの女医モンテッソーリは、「エネルギー自体が環境のあらゆる要素を吸収していく力である。それは五官から吸収され、自らの精神としてつくり上げてしまう力である」、「赤ん坊は、自らの中に世界を吸収しつつ、かつ自分の精神体を形成していく内的(精神的)生命が備わっている」と言っています。

 妊娠12か月という時期は、母親も妊娠に気付きにくいころです。そんなときに、既に新しい生命が一人の個性真理体として、意志を持って成長、発展しているのです。神のみがご存じであることを思うと、まさに神が一人一人を創造し、生み出そうとしておられることを感じさせられます。

 モンテッソーリは、「子供は誕生のときから一つの活動的な精神的生命を持ち、自分の未来のパーソナリティーの構成、設計を自らのうちに備えている」と言っています。

 既に神自体の中に、創造理想の中に、一人一人の創造の設計図があるということです。神からそのようなロゴスを受けて、人間が誕生してくるわけです。

 真のお母様は妊娠する前に妊娠を知覚されるということを、真のご家庭に長年侍ってこられた池生蓮先生がお話しされたことがあります。本然の人間になれば、そのように知覚したり、夢を見たりすることができるのでしょう。ですから親は、祈りを通して神と一つになることが何よりも重要なのです。

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 次回は、「胎児の成長から見る胎教の大切さ」をお届けします。