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トムヤムクンを召し上がれ
バンコク生活記①
ビニール袋で何でもテイクアウト?!(前編)

 2013年から2014年まで『トゥデイズ・ワールド ジャパン』に掲載された懐かしのエッセー「トムヤムクンを召し上がれ バンコク生活記」を、特別にBlessed Lifeでお届けします!

 筆者のアルンローッゴーソン真理子さんは、6500双のタイ日家庭です。

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 サワディーカー!(こんにちは)

 私は、1988年にタイ人の夫と祝福を受け、94年に来タイしました。

 祝福の主体者がタイ人と知った時は、タイと台湾の区別もつかず、韓国の祝福会場に向かう飛行機の中で、世界地図を見て初めてタイの位置を認識。確か子供の頃、百科事典で、緑色っぽい水の中で象が水浴びをしている姿を見ましたが、「もしかしたら、あれがタイだったかも?」という程度でした。

 そういうわけで、タイの文化から言語に至るまで全てが未知の世界、祝福がその始まりで、嫁いだ後は毎日が新発見の連続でした。

 タイといえば、「トムヤムクン」。世界の3大スープの一つになっていますね。

 タイでは、屋台でもスーパーでもお惣菜を売っており、自炊するより安くつきます。このトムヤムクンやグリーンカレーなど、テイクアウトができるのですが、その姿がなかなかユニークです。

 ビニール袋を広げ、そこにお玉でザーッと流し込み、空気を入れてパンパンに膨らませてから輪ゴムで厳重に縛り、スーパーのビニール袋に入れて「ハイどうぞ!」と渡されます。

▲スープをビニール袋に流し込む

 これを初めて体験した時は、とても衝撃的で「何だこれは!」「絶対にありえな~い!」でした。

 遠い昔、縁日ですくった「金魚」をビニール袋に入れて持ち帰った記憶はあります。しかし、口に入れるものを、ビニール袋に入れるとは……。しかも、熱いスープをビニール袋に入れるなんて論外。「ビニールの化学物質が溶けて人体に悪影響を及ぼすのでは? こんなこと日本では認可されないだろう。しかし、ここはタイ」などと頭の中をぐるぐる巡ったものです。

 そして、固体であろうが液体であろうが例のごとく、それぞれをビニール袋に入れてから、スーパーのビニール袋にまとめてくれるので、今では楽チンでやめられません。

 さらに、ソース類も小さいビニール袋に入れて、パンパンに膨らませてくれるので、まるでお手玉みたいでかわいいです。

 感動的なのはジュースです。屋台でタイコーヒーや炭酸飲料をテイクアウトする時も、以前は全てビニール袋でした。最近は見かけなくなりましたが、ビニール袋の口を輪ゴムで縛って持ち歩くというすご技で、まるでヨーヨーみたいでした。それが、小さな手提げタイプのビニール袋に変わり、さらにプラスチックカップへ変化してきています。

▲手提げタイプの袋に入った
スイカジュース

▲タイのスイーツ

 以前はよく、このビニール袋が道端に落ちているのを見掛けました。ただでさえバンコクは海抜ゼロメートルなのに下水道に詰まり、洪水の誘因にも。そのためか、「所定の位置にゴミを捨てないと罰金!」となり、今では街の中がずいぶん綺麗になりました。

 これも、天一国に入るため、天が整備してくださったのかもしれませんね?

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(この記事は、『トゥデイズ・ワールド ジャパン』2013年5月号に掲載されたものです)