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信仰の伝統
教会創立以前から文鮮明先生に侍って(12)

 家庭連合の信仰の長兄である金元弼先生(1928~2010)の講話をまとめた書籍、「信仰の伝統」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 本書を通じて神様の深い愛と文鮮明先生の心情の世界、信仰の在り方を学ぶことができます。

金元弼・著

(光言社・刊『信仰の伝統 教会創立以前から文鮮明先生に侍って』より)

第一部[証言]先生と歩んだ平壌・興南時代
一、平壌開拓の日々

▲金元弼先生

赤い線でいっぱいの先生の聖書

 先生はみ言を伝えるとき、聖書を通して「統一原理」を教えられました。そうして、神の願う人たちを集めました。これからの神の摂理の基盤をつくる時でしたから、先生は心と力、霊魂を投入してこの人たちに教えたのです。それは言うまでもなく、神の心情、神の伝統を相続させるという仕事であったと思います。『原理原本』というものはありませんでした。それは先生の(心の)中にあり、当時は聖書を「統一原理」で教えていたのです。先生の聖書を見ると、旧約聖書の創世記から新約聖書の黙示録に至るまで、赤い棒線が引かれているのです。そしてたくさんのことが書き込まれていました。その聖書には、涙が流れ、それが乾いた跡がたくさんありました。

 先生は、再臨主は雲に乗って来るのではなく、イエス様が人の子として生まれたように、人の子として生まれるという原理だけを教えました。創造原理の内容と、この再臨論を話されたのです。

 霊能者たちは、牧師から雲に乗って再臨すると教えられて信じているのですが、神は「絶対に雲に乗って来ない」と啓示するのです。イエス様が2000年前に一人の子として生まれたように、肉身をもって必ず来ると教えてくれたのでした。同時に、韓国に再臨すると教えられていました。当時、特に「平壌は第二のエルサレムになる」という啓示を受ける人がたくさんいました。

 先生は、御自身で原理を書かれるということも、お話ししてくださいました。もちろん先生が書かれた原本がありますけれども、先生御自身が書かれると思います。今、私が話していることを、皆様もお話ししてください。私が統一教会の教会長の話をしたとしましょう。私にはそう見えて話したとしても、本人はそうではないこともあります。違う点があるのです。ですから結局、先生が直接お話しされたのが正しいということです。

 どうしたら、レバレンド・ムーンを理解できますか。それは、私が話していくうちに気づかれると思います。私の話を聞きながら、私がどのようにして先生を本当に理解できたのかが分かると思います。

 メシヤに対する信仰を百としてみれば、一の信仰をもってメシヤとして信ずるのも、それはメシヤを信ずることです。そして、どんどん高まっていくのです。ですから、「メシヤが分からない」最初の段階から、その次に「メシヤのようだ」、そして「メシヤに違いない」、「メシヤである」という段階をたどると思います。ですから、ある時にはそう信じながらも、「いや、そうではない」と思うこともあるのです。心の中でいつもアップダウン、アップダウンしながらも、辛抱して確立していくのです。1から2に上がるときにも、(一度)ダウンして、その次に2に上がるし、3に上がるときにも(一度)ダウンしてから3に上がる、このようにして上がっていくのです。

 100まで上がるのに、非常に信仰心が篤くてアップダウンがない、というのではありません。信仰が弱いというのは、弱い時にアップダウンを見せる人が、弱いというのです。それをたまたま出している人を、信仰が良くないというのです。ところが、弱い時にこれをやらないで、アップダウンを止めておいていく人を、あの人は信仰が良いというのです。

 私も、皆様の初期のころと全く同じだと思います。原理が本になっていたらいいのですが、あまりに感動して、恵みの中にいましたので、人々を伝道する時に結論だけを話しました。「再臨のメシヤが来ました」と。しかし、それに対して説明することができませんでした。説明して結論を出したら理解しやすかったと思うのですが、それが分からず、ただその結論だけが非常に大事ですから、それだけを先に出してしまったのです。そして、どうしてそうなのかと聞かれると、なかなか説明ができなくて、詰まってしまったのです。

 街頭伝道ではなく、因縁伝道が主でした。自分の親、子供、一番尊敬する人を伝道したのです。

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 次回は、「家庭と教会からの迫害」をお届けします。


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