https://www.kogensha.jp

松本雄司氏の
夫婦愛を育てる16のポイント 37
14「鏡」としての相対者②

 アプリで読む光言社書籍シリーズ第15弾として、「夫婦愛を育てる16のポイント」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 『愛の知恵袋』でおなじみの松本雄司氏が『祝福家庭』誌に連載していた「夫婦愛を育てるために」の書籍版です。男と女の違いから夫婦の愛・夫婦生活に至るまで、ポイントを分かりやすく解説し、まとめています。

松本 雄司・著

(光言社・刊『夫婦愛を育てる16のポイント』より)

「鏡」としての相対者

相手に映った自分の姿
 実は、夫婦は、お互いが鏡なのです。目の前にいる妻は、夫のすべてを映し出す鏡であり、妻にとっては、夫は自分の姿を詳細に映し出す鏡なのです。そして、子供は親のすべてを映し出す鏡なのです。もちろん、同様に考えれば、隣人も、友人もすべて自分の長所、短所を反映させてくれる鏡です。ただし、同じ鏡でも、その鮮明度は相当違います。夫婦や親子の鏡は、驚くほど精密で、寸分の違いもなく、自分のすべてを反映して見せてくれる恐ろしいほど正確な鏡です。

 別な例えで言えば、“やまびこ”です。もし、向こうの山から「ヤッホー」と声が来たら、それは、自分のほうから「ヤッホー」と叫んだからです。でも、自然のやまびことちょっと違うのは、夫婦間のやまびこには“増幅装置”がついているらしく、こちらが、「アッホー」と言うと、向こうからは「ドアッホー」と返ってくるし、「ばかやろう」と叫ぶと、「大ばかやろう」と返ってきます。

相対者は人格完成の教師
 つまり、相手の反応は、自分の発した言葉や態度の反映であると考えて、自分のほうから、思いやりのある言葉や態度を取るようにすることが、唯一の問題解決の方法であるということです。

 このように考えると、自分の中にいっさいの堕落性がなくなるまで、相対者は、自分に拒否反応を見せ続けてくれるでしょう。そういう意味では、相対者は、自分にとって人格完成のための最高のバロメーターであり、教師であるといえます。

 そう思えば、なんだか、今まで鬼のように見えていた相対者が、自分の成長のために与えられた、有り難い存在に見えてきます。

◆ ◆ ◆

 夫が愛する妻に、親しくもの柔らかく『お前』と呼べば、親しくもの柔らかく『何ですか』と返答します。けれども、無愛想にして呼べば、同じように『何よ』と返答するのです。山びこと同じように、すべて相対的だというのです。(『祝福家庭と理想天国Ⅰ』一二〇九頁)

 怨讐(おんしゅう)だといってみんな悪いのではない。怨讐の立場から愛に回ってくるときには、かえって鑑(かがみ)になることがあり、学べる道がある。(同二八〇頁)

《ポイント!》
一、相対者は自分の鏡。
二、相対者は、人格完成の教師。
三、自分が変われば、相手が変わる。
四、愛のやまびこを送ろう。

---

 次回は、「一緒に泣いて、笑って①」をお届けします。