ファミリーサポートコーチング講座

 「ファミリーサポート(FS)コーチング講座」は、文字どおり、より良い家族関係や人間関係を実現するために読者の皆さまをサポートするコーチング講座です。
 毎週月曜日配信予定です。皆さまの家庭生活、信仰生活、社会生活にぜひお役立てください。

第21回「脳の特性」について

ナビゲーター:西森 響
監修:阿部 美樹(伝道教育局)

 今回は、「脳の特性」についてお伝えします。

【過去・現在・未来を区別できない】
 脳は、過去・現在・未来を区別できません。臨場感をもって目標達成の状況を感じるとそのことは既に成ったと脳は理解します。
 このことは、スポーツ選手のイメージトレーニングに用いられています。ゴルフの選手が一番良いスイングを試合当日にできると臨場感をもってイメージできると、当日には既にできたことを追体験するかのようにしてよいスイングをすることができます。

【バーチャルリアリティと現実】
 脳はバーチャルリアリティと現実を区別できません。
 「レモンを口の中に入れること」を想像するだけで唾液が出てくる経験をお持ちのかたが多いでしょう。
 このことはバーチャルと現実とを脳が区別していないことを意味します。
 最近は、ヘッドマウントディスプレイと呼ばれるモニター装置を付けてバーチャルリアリティ体験をすることができます。
 高いビルとビルとの間に架けられた鉄骨を歩いて渡ろうとする映像を、その装置を使って見せられたら、それがバーチャル画面であると分かっていても、足がすくんで動けません。

【否定形を理解し難い】
 脳には否定形を理解し難い傾向があります。
 「ピンクの象を想像しないでください」と指示されると、脳は「ピンクの象を想像しない」ということの前に「ピンクの象」とは何かをイメージし、その後でそれを「想像しない」というプロセスをとってその指示を理解しようとします。
 いったん作ったイメージはすぐにはなくならないですし、「想像するな」と言われると何を想像してよいのか分からずに迷う状況に陥ります。
 肯定形で伝えると脳には伝えやすいです。

【焦点化の原則】
 焦点化の原則とは、脳は二つのことを同時に意識するのが苦手だということです。
 だまし絵というものがあります。老女にも若い女性にも見える絵、アヒルにもウサギにも見える絵などが知られています。

 このようなだまし絵を見るとき、老女の絵だと見た人が若い女性だと見るためには他人から「ここが耳で、ここがあごですよ」と指摘を受けてはじめて視点の変更がなされる場合があります。同時に老女と若い女性を見ることは困難です。

【快・不快の原則】
 快とは、喜びや好きなことなど心地よいことです。不快とは、悲しみ・苦しみ・つらさ・嫌いなことなど、心に苦痛を感じることです。脳は、快を求め、不快を避けます。
 人間は安心・安全を求めます。快を得て、不快を避けることによって、心は安心できます。そして、生きていこうという意欲が湧いてきます。

【空白の原則】
 空白の原則とは、質問を受けた時など、分からないままであると不安だから、空白を埋めようとすることをいいます。
 脳は自動検索システムのように、寝ている間も「空白」を埋めるために、働き続けます。顕在意識だけでなく、潜在意識まで使って答えを出すことに力を尽くします。

 FSコーチングにおいては、コーチはこのような脳の特性を生かしてクライアントが潜在意識にアクセスして、気付きを得ることができるようにします。

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 次回は、「アソシエーション」と「ディソシエーション」についてお伝えします。

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