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統一原理127のポイント 118
宗教改革と文芸復興に関して、原理的に説明してください

 アプリで読む光言社書籍シリーズ第8弾、「統一原理127のポイント」を毎週日曜日配信(予定)でお届けしています。

(光言社・刊『統一原理127のポイント~百日修練会の試験問題と模範解答から』より)

第五章 メシヤ再降臨準備時代

117 宗教改革と文芸復興に関して、原理的に説明してください。(『原理講論』、511、515〜518ページ)

 中世の封建制度とローマ・カトリックの世俗的な堕落から来る社会環境は、人間の創造本性を復帰する道を遮っていました。ゆえに、束縛されていた中世の人たちは、環境を打開し、その内外両面の性向をもって創造本性を復帰しようとする方向へと向かいました。

[文芸復興(Renaissance)]
 創造原理によれば、人間は、人間自身の責任分担を、自由意思により完遂して完成するように創造されたので、本性的に自由を追求するようになります。また、神と一体となり、個性完成をすれば、人格の絶対的な自主性をもつので、人間は本性的に人格の自主性を追求するようになります。そして、個性を完成した人間は理知と理性によって、神のみ旨を悟り、生活するので、本性的に理知と理性を追求します。

 また、自然界を主管するために、科学により、その原理を探究し、現実世界の環境を自ら開拓しなければならないので、人間は本性的に自然と現実と科学とを追求するようになります。それゆえ中世社会の人々は、その封建社会によって彼らの本性が抑圧されていたために、本性の外的な欲望によって、上記の事柄を強く追求したのです。

 「ルネッサンス」は、「再生」または「復興」という意味です。ギリシャの古代精神、すなわちヘレニズムは、人間の自由、人格の自主性、理知と理性の尊厳性と、自然を崇拝し、現実に重きをおいて科学を探究することなど、人間の本性を外的に追求していました。その精神を模倣させようとする運動から始まった「ルネッサンス」は、古典文化を再生し、中世的社会生活に対しての改革運動に変わり、さらに、政治、経済、宗教等、社会全般にわたる革新運動へと拡大され、近代社会を形成する外的な原動力となりました。

[宗教改革]
 中世社会における法王を中心とする復帰摂理は、法王と僧侶の世俗的な堕落によって成就することができませんでした。そして中世の人々が人本主義を唱えるにつれ、人々は人間の自由を束縛する形式的な宗教儀式と規範に反抗し、人間の自主性を蹂躙(じゅうりん)する封建階級制度と法王権に対抗するようになりました。さらに、人間の理性と理知を無視して、何事でも法王に隷属させようとする固陋(ころう)な信仰生活に反発し、自然と現実と科学を無視する遁世(とんせい)的、他界的、禁欲的な信仰態度を排撃するようになりました。こうして、中世キリスト教信徒は法王政治に反抗するようになりました。

 このようにして、中世社会の人々がその本性の外的な欲望を追求するにつれて、その反面、抑圧されていた本性の内的な欲望をも追求するようになり、ついに、使徒たちを中心として神のみ旨のみに従った熱烈な初代キリスト教精神への復古を唱えるようになりました。これがすなわち、中世におけるヘブライズムの復古運動です。

 ウィクリフは聖書を英訳して、信仰の基準を聖書におき、教会の腐敗を批判しました。改革運動は英国で始まり、イタリアでも起こったのですが、それらはみな失敗に終わりました。しかし、一五一七年、法王レオ十世が免罪符を売るようになると、この弊害に対する反対運動が導火線となって、マルティン・ルターを中心として宗教改革運動が爆発したのです。この革命運動はフランスのカルヴァン、スイスのツウィングリを中心として伸展し、イギリス、オランダ等の諸国へと拡大されていきました。

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 次回(6月27日)は、「カイン型、アベル型人生観に関して、具体的に思想家を六人挙げて説明してください」をお届けします。