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中和新聞セレクト Vol.1
真の世界平和を求めて~人類的課題と根本的解決の道

 統一運動の情報から国内外のニュース、各種講座に至るまで、さまざまなコンテンツを毎週2回(火、金)配信している『中和新聞』。Blessed Life編集部が同記事のアーカイブスからおすすめのコンテンツをセレクトして皆さまに紹介します!
 第1弾は「真の世界平和を求めて~人類的課題と根本的解決の道」(ナビゲーター:魚谷俊輔氏)のシリーズを毎週水曜日(予定)にお届けします。
 同コンテンツは『中和新聞』2017年5月~2019年11月に全24回で配信されたシリーズです。

13回 日韓の和解と友好を促進する統一運動

(中和新聞 2018年6月19日 通巻1071号より)

 日本と韓国は一衣帯水の隣国であり、北朝鮮による核の脅威から両国の平和と安全を守るためにも、戦略的な協力関係を構築しなければなりません。しかし、両国には根強い相互不信と敵対感情があり、相手国を「近くて遠い国」と呼んでいます。今回は、日韓の「歴史問題」の背景を解説し、両国の和解と友好を促進するために統一運動が取り組んできた内容を紹介します。

▲在韓日本人女性を介して会話する日韓姉妹結縁式の参加者

日韓の「歴史問題」論争におけるすれ違い
 今なお、日本と韓国で繰り返して論争される内容として、「竹島(独島)」問題、「慰安婦」問題、「靖国神社参拝」問題、「歴史認識」問題などが挙げられます。これらの根底にあるのは、日韓国交正常化(1965年)の際に締結された「日韓基本条約」の問題であり、さらに遡れば、「日韓併合条約」(1910年)をどのように捉えるのかという問題に行き着きます。

 保守的な日本人と韓国人との典型的論争は、下記(韓国人K、日本人J)のようになります。

K:日本は植民地支配に対して過去の清算をすべきだ。

J:過去の清算は、日韓国交正常化のときに終わっている。

K:被害に遭った韓国人は、日本政府から補償を受けていない。

J:1965年に有償2億ドル、無償3億ドルの経済協力金を出した。

K:経済協力金は補償ではないから、償ったことにならない。

J:そもそも日本は韓国と戦争をしていないので、賠償の必要はない。

K:現実に被害に遭った人々がいる。彼らは補償を受けていない。

J:それは韓国政府の責任であって、日本政府の責任ではない。

K:韓国は日本に対して被害に対する賠償請求権がある。

J:日本は韓国に莫大な資産を残してきたので、それで相殺される。

K:日本は韓国を植民地にすることによって莫大な搾取をした。

J:日本はむしろ、国家予算を韓国に投入して近代化させた。

K:日本は過去の罪を認め、誠意ある謝罪を行うべきだ。

J:歴代首相が謝ってきた。何度謝れば気が済むのか。

K:それらは政治的発言に過ぎず、法的には罪を認めていない。

J:法的問題は1965年の日韓基本条約で全て解決している。

K:そもそも1910年の日韓併合条約は、武力を背景に結ばれたので無効である。

J:日韓併合条約は、国際法上有効であり、合法的に結ばれた。

日韓基本条約が締結された背景
 日韓国交正常化交渉は19522月に始まり、19656月にようやく終結しました。当時は東西冷戦下で、東アジアにおける自由主義陣営の連帯が重要課題であり、米国の強力な後押しがあったにもかかわらず、交渉に14年もの歳月を要したのは、「歴史認識」問題でもめたことで、たびたび交渉が頓挫したためです。

 李承晩政権下での第1次日韓会談で、韓国側は「植民地支配は不法である」として、その被害補償の請求権を主張。これに対して日本側は、「韓国を合法的に領有、統治しており、賠償金を支払う立場にない」とし、逆に韓国独立に伴って遺棄した在韓日本資産の返還請求権を主張したため、交渉は決裂しました。

 平行線をたどっていた交渉が一気に進んだのは、1961年に誕生した朴正煕政権と、岸信介元首相との協力関係のもと、より現実的な政治決着に向けて動いた時でした。自由主義陣営の結束を図る米国が、日韓交渉の長期化を懸念して両国に圧力をかけたことも背景にありました。

 韓国政府は請求権に基づく賠償ではなく、「経済協力」という名目で日本からお金を受け取り、自国のインフラを整備して「北朝鮮との競争に勝つ道」を選択。国家として総額を受け取ったうえで、個人への補償は「韓国政府が行う」こととし、「日韓併合条約」の有効性に関しては、双方が都合よく解釈できる〝玉虫色の決着〟をして、「日韓基本条約」は成立しました。

 しかし、このことは韓国国民にきちんと説明されなかったため、「歴史認識」問題はその後も両国間の課題として残されることになりました。

 その後、「河野談話」(1993年、河野洋平官房長官)、「村山談話」(1995年、村山富市首相)、小渕恵三首相の「日韓共同宣言」(1998年)など、日本側は何度か「反省」と「お詫び」の意を表明していますが、それによって両国間の課題を解決するのは難しいようです。

日韓の和解のために尽力する統一運動
 日韓関係が断絶状態になれば、利益を得るのは北朝鮮と中国であり、中国主導の南北統一へ道を開くことになります。これ以上の日韓関係の悪化は、両国を含む自由世界全体の利益に反するため、少なくともいたずらに「反日感情」「嫌韓感情」をあおるような発言は慎むべきです。

 両国の関係改善には、歴史的問題に対する理解を深める知的側面と、友好関係を築くための努力という情的側面の両方が必要です。相手の立場に立って物事を考える「共感力」とともに、最後は怨讐をも許して愛する「宗教性」がなければ、根本的な解決に至ることはありません。

 統一運動はこれまで「日韓指導者友情の集い」や「日韓姉妹結縁」などの行事を通じて、継続的に両国の友好親善に尽力してきました。

 さらに、日本人と韓国人の「国際祝福」を推進し、1万組以上の日韓・韓日カップルが誕生しました。韓国人と日本人が真の夫婦愛で怨讐を越え、その両親が「共通の孫」をもち、親戚になることによって両国間の溝を埋める道を開いてきています。

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 次回(6月16日)は、「若者たちが平和をつくる『PEACE ROAD』」をお届けします。

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