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【テキスト版】
ほぼ5分でわかる介護・福祉QA

第2回 介護・福祉分野にはどんな職種や資格がありますか?

ナビゲーター:宮本 知洋(家庭連合福祉部長)

(動画版『ほぼ5分でわかる介護・福祉Q&A』より)

 今回は、「訪問介護員、介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士、介護支援専門員など、介護・福祉分野にはさまざまな職種や資格があると聞きました。どのような違いがあるのでしょうか?」という質問です。

 教会員の中には介護・福祉関係の仕事に従事しているかたが多くいらっしゃいます。ただ、同じ従事者といっても、「介護福祉士です」「ケアマネージャーです」「ヘルパーです」などのように、いろいろな職種・資格名でご自分を紹介されます。

 関係者にとってみれば、その違いは明確ですが、これまで介護や福祉に関わってこなかったかたにとっては、一体どんな仕事をしているのか、資格によってどのような違いがあるのかよく分からない、ということもあるかもしれません。

 そこで今回は、介護・福祉関係の主な職種や資格について説明したいと思います。

 まず、訪問介護員は通常、「ホームヘルパー」と呼ばれており、高齢者や障がい者の介護や自立した生活の支援を行います。

 会話の中で「きょうはヘルパーさんが来てくれます」という話もよく耳にすると思いますが、私たちにとっては最も身近な介護関係者だと言えるかもしれません。

 ホームヘルパーは利用者の自宅を訪問し、家事や食事・排泄の介助、衣服の着脱、歩行介助や車いすの移乗などを行います。
 ホームヘルパーになるためには、研修を受ける必要があります。研修には介護職員初任者研修と介護職員実務者研修があり、これらはそれぞれ既に廃止されたホームヘルパー2級、ホームヘルパー1級の資格に相当します。

 次に、介護福祉士と社会福祉士ですが、これはどちらも福祉に関するより専門的な知識を必要とする国家資格です。

 まず、介護福祉士は「ケアワーカー」とも呼ばれ、福祉の専門知識と医学的な介護技術を持ち、施設や在宅で介護を支援する人です。
 主な活動場所は、病院、介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、デイケアセンター、障害福祉サービス事業所などの社会福祉施設です。

 社会福祉士は障がい者や寝たきりの人など、日常生活を営むのに困難がある人の相談業務を行います。
 具体的には、困り事の相談を受け、その対象者にとって必要と思われる福祉・介護のサービスなどの「社会資源」を利用できるよう手配し、日常生活の安定化に向けて支援をします。

 関連するもので、精神保健福祉士という資格もあります。
 社会福祉士が保健・医療、児童福祉、高齢者福祉、障害者福祉、行政など、幅広い分野の業務を行うのに対し、精神保健福祉士は精神障がい者の社会復帰、保健および福祉の分野に特化して業務を行います。

 最後に、介護支援専門員について説明します。

 介護支援専門員というより、「ケアマネージャー」と言った方が分かりやすいかもしれません。
 ケアマネージャーは、介護を必要とする人やその家族からの依頼に応じて、どのような介護をしたらいいかという計画(ケアプラン)を作成し、その後のフォローまで行います。

 数ある介護サービスの中からその人に合ったものを選択し提案・実行していく、いわばコーディネーターの役割をするかただということです。皆さんがご家族を介護しなければならなくなった場合、まず相談するのがケアマネージャーということになります。

 ケアマネージャーは、介護サービス利用者が事業所に要望を直接言いづらい場合に代弁して意見を伝えてくれたり、要介護認定を受けるための申請を代行してくれたりもします。

 介護福祉の分野には、他にもいろいろな職種や資格があります。自分でも資格を取りたい、誰に相談したらよいか分からないなど、疑問があれば、自治体に問い合わせたり、インターネットで調べたりしてみられてもよいと思います。