青少年事情と教育を考える 7
結婚は人生の満足度を高める

ナビゲーター:中田 孝誠

 日本では結婚数が減少しています。
 厚生労働省が発表している「人口動態統計」を見ると、昨年1年間の結婚件数は607000組(推計値)。年によってわずかな増減はありますが、大きな流れでみると減少傾向にあることは確かです。日本で少子化が進んでいるのも、若者がなかなか結婚しないことが大きな要因だといわれています。

 なぜ結婚しないのかというと、「適当な相手に巡り合わない」「自由でいたい」という人も少なくありません。非正規雇用が増えて将来の見通しが立てにくいことも、結婚に踏み切れない一因となっています。

 最近はメディアなどで、「結婚は大変」「家族は大変」という声の方が強いように感じられます。しかし、未婚者に調査をすると約7割の人が、結婚には「子供、家族が持てる」「精神的安らぎの場が得られる」といった利点があると答えています(国立社会保障・人口問題研究所「出生動向基本調査」)。

 一方、海外では長期の統計データを基にした、「なぜ結婚が重要なのか」についての研究が盛んに行われています。
 例えば、アメリカの全米経済研究所は、「結婚している人は独身の人より人生の満足度が高い」という結論を出しています。結婚の幸せは一時的なものではなく長く持続するもので、こうした満足度は必ずしも収入など経済的要因に左右されないと述べています。

 また、「結婚している男女の方が、同棲カップルより、心身共に安定した生活を送ることができる」という研究もあります(バージニア大学など)。ほとんどの人は、20代に人生の満足度が高まりますが、30代になると仕事などで社会的責任が増して満足度が低下するといいます。ただ、結婚している人は独身の人に比べて、満足度が低下する割合が少ないというのです。配偶者との関係が人生の満足度を高めていることを示しているというわけです。この研究では「結婚は、社会善・社会利益につながる」とも述べています。

 経済面での満足だけでなく、配偶者がいて、子供が生まれたりすることで、家族のために生きることで幸せを感じます。もちろん現実は夫婦関係などで難しい問題がありますが、それでも結婚は各人の人生と社会全体にとって大切なものだといえるわけです。