シリーズ・「宗教」を読み解く 160
3.11東日本大震災10年の祈り④
神と人、人と人の新たな絆を結ぼう

ナビゲーター:石丸 志信

 3月12日、宗教者平和大使協議会とIAPD-Japan(平和と開発のための宗教者協議会)の主催で、第114回「超宗教フォーラム」が「3.11東日本大震災10年の祈り〜神と人、人と人の新たな絆を結ぼう〜」を主題にオンラインで開催された。

 東日本大震災犠牲者の追悼と被災地の復興、さらに世界平和への祈りをささげ、互いの絆を強める目的で、神道、仏教、イスラーム、キリスト教を代表する宗教者平和大使、有識者ら約150人が参加した。

 会の冒頭、3月5日、6日の両日、石巻、仙台の被災地を訪問し追悼の祈りをささげた報告映像を上映。続いて、全国の北から南まで五つの地域と台湾、米国の宗教者代表がリレーで祈祷をささげた。
 結びに平和統一聯合の有志が「花は咲く」を合唱。当時支援を受けた台湾や米国の人々への感謝の意を表す時間ともなった。

 懇談の時間には、島根から祈りをささげた僧侶が当時の様子を振り返り、次のように語った。
 「原子力の専門であった私は、福島第一原発事故のニュースを見ながら、担当者が冷静になるしかないと思った。そのために、宗教者に祈ってほしいと思い、超宗教フォーラムに参加している宗教者平和大使に呼び掛けた」

 彼の呼び掛けがきっかけとなって、超宗教フォーラムでの追悼と復興のための祈りの会が始まった。
 10年の歴史を写真で振り返ると、被災者からは、感謝の言葉が述べられた。